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ドコモがahamoを30GBに増量した背景 前田社長が語る“3層料金戦略”とアップセルへの道筋

ITmedia Mobile / 2024年10月12日 6時5分

 さらに、2025年度からは、仮想化技術を採用した「vRAN」の本格導入を開始する。現時点での採用数はわずかだが、ここから徐々に既存の基地局を置き換える形でvRANを導入。最終的には、大半をvRANに移行させる方針だ。

 パケ詰まりが発生するエリアを特定し、改善につなげる動きも全社化しているとしながら、前田氏は次のように語る。

 「これまで、ネットワークはネットワーク部隊がどうきれいにしていくのかを考え、スマートライフで加盟店開拓をする部隊は、加盟店開拓を一生懸命やってきた。結果、何が起こっているかというと、せっかく獲得した加盟店で通信品質が悪くて(d払いなどのサービスが)使えない。ここを誰がやるかがエアポケットになっていたが、こういうのは最悪の話。(今は)どこがどう悪いのかを、ネットワークと一緒になって片っ端から調査している」

●若年層とミドル層の獲得を強化、ahamoは30GB化で解約を抑止

 ネットワークの強化で足腰を鍛えつつ、次のステップでは「顧客基盤の強化と収益拡大を実現する」。2027年度の目標は、3500億円を超える増収だ。「コンシューマー通信については、人口減少や2025年度のFOMA終了があるので一定程度下がるが、なるべく早く下げ止まらせていく」方針だ。顧客基盤の拡大とは、ユーザー獲得を意味する。今は「シェアの拡大に注力すべきとき」というのが、前田氏の考えだ。

 特にドコモとして重視しているのが、データ通信の使用量が多い若年層やその上のミドル層。この層は、「通信に加えてドコモのサービスを積極的に使っていただけるロイヤルユーザー」だからだ。2023年に導入したeximo、irumoと、オンライン専用プランのahamoを加えた「3層料金戦略」が功を奏し、第1四半期では純増数が3万に改善。そのうち、「8割は若年層、ミドル層」だったという。

 「販売人員の強化店舗では、4月からの比較で8月は50%ポートインが増加し、明らかな効果が出ている」とした。具体的には、「量販店で他社と同等以上に張り合うための人員増や施策店舗の拡大」といったことを行っていたという。前田氏は「全体として、人口は減少していてシェアも落ち続けているが、取られっぱなしだと先が見えない。そこはしっかり戦っていきたい」と語る。そのため、2024年度はユーザー獲得を優先しているという。

 若年層獲得の強化施策として、量販店を中心に「スキルフルな販売員を重点的に配備した」。これが、上記のポートイン増加に直結しているようだ。前田氏は「競争力のある価格で端末をご提供できるような施策をベースにしたうえで、このような施策を行うことで50%超のパフォーマンスが出てきている」と語る。

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