1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. モバイル・アプリ

ドコモがahamoを30GBに増量した背景 前田社長が語る“3層料金戦略”とアップセルへの道筋

ITmedia Mobile / 2024年10月12日 6時5分

 一方で、ahamoを契約しているユーザーの解約率が他の料金プランのユーザーより高いのは、ドコモにとっての課題だった。前田氏も、「流出抑止には課題がある」と話す。その理由として挙げられていたのが、データ容量の不足だ。「ahamoユーザーの声を調査したところ、経年的な利用量の増加に対してデータ容量が不足していた」ことが見えてきた。

 10月にahamoのデータ容量を20GBから30GBに拡大したのは、その対策だ。ユーザーのデータ利用量は年々増加しており、ドコモも例外ではない。しかもその伸び率が、加速している。前田氏によると、2023年度は前年比で20%超の増加率だったのに対し、2024年度は8月時点で既に2割弱までデータ使用量が増加しているという。これがahamoの解約につながっていたというのが、前田氏の見立てだ。

 ただし、この仮説が外れていた場合は、第2、第3の手を打つ可能性もあるという。前田氏は「流出がどの程度改善していくのか次第で、仮にこれがもう少し進んでしまうのであれば、料金プランの見直しをタイムリーにしていく可能性はある」と語る。30GBへのデータ容量増加で、流出に歯止めがかかるのかは今後、注目しておきたいポイントといえる。

●金融、エンタメでアップセルを図る、スマートライフも大きく強化

 ahamoの解約率増加につながってしまったトラフィックの増加だが、同時にこれは、上位の料金プランへのアップセルを促す契機にもなる。上位のプランにユーザーが加入すればするほど、「ご利用料金が上がっていく」構造だ。そのため、低料金プランのirumoで獲得したユーザーを、ahamoやeximoといった上位プランに移行させていければ、収益増を達成しやすくなる。

 実際、旧料金プランのギガライトからeximoに移行するユーザーの割合が上がっており、「ARPUの上昇に貢献している」という。前田氏が示したデータでは、旧料金プランのユーザーのeximo選択率が直近では60%以上に拡大。eximo提供開始当初は47%だったため、10ポイント以上その割合が上がっている。「このストックがかなり大きく、残りの40%の方の中にはahamoに入る方も多い」。既存ユーザーの料金プラン変更が、ドコモのARPUを押し上げている格好だ。

 データ利用量を増加させる取り組みは、ドコモ自身でも展開している。その1つが、コンテンツサービスの料金に対し、dポイントを還元する「爆アゲセレクション」だ。これに加入したユーザーは、よりデータ利用量が増え、上位プランに契約する割合も増加するという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください