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UQ mobileとpovoで“ahamo対抗”を打ち出すKDDI ネットワーク品質強化が差別化の武器に

ITmedia Mobile / 2024年10月19日 11時39分

 ダウンロード速度が上がると、動画の読み込みがスムーズになり、自動調整している場合だと画質も上がりやすくなる。遅延についても同様で、ネットワーク品質改善後は、VRコンテンツでの動作がより操作に追従するようになり、動きが滑らかになった。こうしたコンテンツの挙動の変化こそが、Opensignalの調査で重視されている体感品質。前田氏は「お客さまが使われるアプリケーションを評価するため、こういうバランスで評価しているのかというのは勉強になった」と語る。

 Opensignalのスコアを時系列に追うと、ソフトバンクがやや数値を落としているのに対し、KDDIが大きく伸び、順位が逆転したことが見て取れる。4月に発表された調査ではソフトバンクが84.3点だったが、KDDIは82.2点で楽天モバイルを下回っていた。これに対し、今回の調査では、KDDIは84.4点だった一方で、ソフトバンクは82.9点にスコアを落としている。「Opensignalのメダルを取るためにがんばってきたのではない」と断言する前田氏だが、「一貫した品質」部門のスコアでソフトバンクを逆転できたのは、大きな成果と捉えているようだ。会見でも、「ソフトバンクにようやく追い付き、追い越すことができた」と本音をのぞかせた。

●差につながった周波数転用、ソフトバンクの差別化はSub6で図る

 とはいえ、現状のスコアは、KDDIとソフトバンクの2社をトップグループと解釈することもできる。この2社と、ドコモ、楽天モバイルの開きが大きいからだ。では、なぜこの2社がネットワークの品質を維持できているのか。前田氏は、「なんちゃって5Gとやゆされたが、4Gからの転用周波数がやはり重要。デュアルで5Gエリアを形成できたことが、受賞につながった」と語る。

 2位に転落したとはいえ、これまでソフトバンクへの評価が一貫して高いのもこれが理由だ。KDDIとソフトバンクは、ドコモと異なり、まず4Gからの周波数転用や周波数共用で、広い5Gエリアの構築を急いだ。Sub6とは異なり、帯域幅は4Gと変わっていないため、これだけで通信速度の向上は見込みづらいものの、これがあれば「エリアカバーにこだわらず、Sub6の基地局を高密度に打つことができる」(同)。面的に5Gを広げたあと、トラフィックが多い都市部を重点的にSub6でカバーできる。

 面的に5Gのエリアができていると、「無理にSub6を引っ張らず、フリンジ(エリアの端)ではすぐに周波数転用した5Gにハンドダウンして快適な通信をキープする」(同)ことが可能になる。4Gから転用した周波数帯は複数あるため、「ロードバランスを見て負荷の少ない5Gにハンドダウンできる」(同)。同じ周波数帯でも世代が違うことで、Sub6と組み合わせて使う際にチューニングがしやすいというわけだ。

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