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UQ mobileとpovoで“ahamo対抗”を打ち出すKDDI ネットワーク品質強化が差別化の武器に

ITmedia Mobile / 2024年10月19日 11時39分

 逆にドコモの場合、当初は総務省に課せられた基盤展開率を順守するため、まずSub6のエリアを拡大した。現在では4Gからの周波数転用も活用しているものの、その数はKDDIやソフトバンクに比べると少ない。逆説的だが「Sub6を重視しすぎると、どうしてもそちらを引っ張りすぎてしまい、フリンジ(エリアの端)で品質が低下してしまう」(同)。「なんちゃって5G」と周波数転用をやゆしていたドコモだが、そこに足を引っ張られているというのが前田氏の見立てだ。

 楽天モバイルは、そもそも4GがBand 3(1.7GHz帯)だけで、本格サービス開始後すぐに5Gを導入しているため、転用する周波数を持っていない。他3社と比べ、ユーザー数が少ないためSub6につながれば快適に通信できるため、ダウンロードやアップロードなどスループットを重視する項目ではトップを取っているが、バランスがやや悪い。やはり、転用周波数とSub6を「デュアルで整備できると、5G全体としてよい品質で広範なエリアができる」(同)。

 一方で、KDDIには品質でトップを取り続けてきたソフトバンクとも、差別化する武器もある。Sub6基地局の「数」と、保有している帯域幅の「広さ」だ。もともと、Sub6の基地局展開に消極的だったソフトバンクと比べ、KDDIのSub6の基地局は5倍以上数が多い。さらに周波数も200MHz幅と大きい。ドコモと楽天モバイルに対しては転用周波数のエリアで、ソフトバンクに対してはSub6の数と帯域幅の広さで差別化ができた結果として、品質調査でトップに躍り出ることができたというわけだ。

●ネットワークの進化に合わせた料金改定、ahamo対抗の意味合いも

 このネットワーク品質向上に合わせ、KDDIは一部ブランドの料金プランも改定する。ネットワークと料金は一見すると、関連性が薄いように思えるかもしれないが、実際には、両者の関係は深い。キャパシティーが十分ないところに安価な無制限プランを入れればトラフィックが増え、ネットワーク品質のバランスが落ちてしまうからだ。実際、キャリア各社がデータ容量に制限のない料金プランを導入したのも、4Gのキャパシティーが十分広がり、5G導入が見えていたタイミングだ。

 古くは「CDMA2000 1x EV-DO」に合わせてフィーチャーフォン向けのパケット定額サービスを初めて導入し、他社を出し抜いたように、KDDIは比較的ネットワークと料金プランのバランスの取り方がうまい印象もある。とはいえ、auには既にデータ容量無制限の料金プランを導入済みで、最大容量はこれ以上増やせない。そこで手を入れてきたのが、UQ mobileとpovo2.0の中容量プランだ。KDDIのパーソナル事業本部 マーケティング本部 副本部長の渡邊和也氏は、「全てのデータ通信サービスのベースになる『つながる体感No.1』を、充実した料金ラインアップでたっぷりお楽しみいただきたい」と語る。

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