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「AQUOS R9 pro」と「らくらくスマートフォン」 真逆の新機種から見える、日本メーカーの“生き残り戦略”

ITmedia Mobile / 2024年11月2日 6時5分

 機能面では、メインカメラに1/0.98型という1型をわずかに超えたセンサーを採用している。これまでのAQUOS R(pro)シリーズは、画素数の大きな1型センサーと一般的なスマホカメラより画角の広いレンズを組み合わせており、標準の画角で撮影した際には中央部を切り抜いて使っていた。センサー1つで超広角と標準的な広角を両立させるためだ。

 これに対し、AQUOS R9 proでは1/0.98型のセンサーの全域を利用し、広角撮影を行う。クロップをしない代わりに、別途、5030万画素でマクロ撮影にも対応した超広角カメラも搭載した。これによって、「標準域で撮ったときの画質が大きく変わる」(同)。

広角カメラの精細感が上がり、より細かな描写を行えるようになった。性能の高い広角カメラの実力をさらに引き出すため、複数カメラを搭載する一般的なスマホに近い仕様に変更したというわけだ。

 また、今までのAQUOS R(pro)には、望遠カメラが搭載されておらず、遠距離の被写体撮影を苦手としていた。広角カメラのピクセルビニングを解除し、クロップすることでズームはできたが、やはりそれには限界もある。そこで、AQUOS R9 proにはペリスコープ(潜望鏡)型の望遠レンズを搭載。センサーサイズも1/1.56型と、ミッドレンジモデルのメインカメラ並みに大型化している。焦点距離は35mm判換算で65mmとなり、2.8倍までのズームを行える。

 プロセッサには、Qualcommの「Snapdragon 8s Gen 3」を採用。ベイパーチャンバーを搭載するなど、放熱対策にもこだわった。どちらかといえば、カメラ機能は他社に出遅れていたシャープだったが、AQUOS R6でライカとの協業を開始したのを機に、画質を大きく改善。1型センサーを他社に先駆けて採用してきた。こうした取り組みが奏功し、「ここ数年はライカとのコラボで評判も上がってきている」(小林氏)。AQUOS R9 proでは、さらにそのカメラを一段引き上げることで、フラグシップモデル好きのニーズに応えることを目指す。

●“変えないこと”が難しかったらくらくスマートフォン、部品レベルでの特注も

 フラグシップモデルを突き詰めたAQUOS R9 proを投入したシャープに対し、FCNTが新たに披露したのは、らくらくスマートフォンの後継機だ。新たに投入するのは3機種。ドコモ向けのらくらくスマートフォン F-53Eと、Y!mobile向けのらくらくスマートフォン a、さらにはオープンマーケットモデルのらくらくスマートフォン Liteを展開する。機能面でこれまで販売してきたらくらくスマートフォンの後継機になるのが、ドコモ向けのF-53Eだ。

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