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上期決算「KDDI・ソフトバンク」と「ドコモ」で明暗が分かれたワケ 鍵を握る“メインブランドへの移行”

ITmedia Mobile / 2024年11月9日 6時5分

 これは、ドコモが「将来の収益の礎となる顧客基盤の獲得、シェアの拡大に注力すべきである」(同)という方針を打ち出した影響も大きい。若年層に照準を合わせた施策を家電量販店などで展開することで、純増数は増加。「足元では、10月のMNPが想定を大きく上回るプラスになっている」(同)としており、流入も増えている。スマホなどのハンドセット解約率も低下した。

 とはいえ、コンシューマー向けの通信事業での増収幅が拡大し、ARPUも上昇基調に入ったKDDI、ソフトバンクと比べると、回復が遅れている印象も受ける。サブブランド的な料金プランの導入が遅かったこともあり、2社とは時間差で料金値下げの影響を受けている格好だ。irumoやahamoからeximoへの移行を進めていくには、まだ時間がかかる可能性もある。

 また、こうした大容量プランは、高品質なネットワークがあってこそ生きてくるものだ。ドコモは体感品質の改善に取り組んでいる最中。年度末までにSub6と転用周波数帯を使った5Gのどちらも拡大し、エリアとネットワーク容量を両立させていく方針だが、結果が出るにはまだ時間もかかる。一方で、前田氏は「全体の設備投資も通常のコストも、品質対策に振り向けている」(同)といい、チューニングが中心だった従来以上にコストをかけ、本格的に対策を進めていることを示唆した。通信品質は増加するデータトラフィックを支える要ともいえるだけに、その成果にも注目しておきたい。

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