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鉄道の「自動改札機」はどのように進化したのか 97年の歴史と未来の姿

ITmedia Mobile / 2024年11月24日 10時5分

 先陣を切ったのはJR東日本で、1991年3月1日(金曜日)にイオカードの販売を開始。当初は山手線内の31駅に限定されていたが、のちにエリアを拡大した。

 2番目は阪急電鉄で1992年4月1日(水曜日)にラガールスルーの販売を開始。これに先立ち、自動改札機をラガールスルー対応型に更新し、投入口を5度右に傾けることで、左手でも入れやすくした。

 券売機や精算機も接客面を斜め45度に傾けることで、視認性や操作性の向上を図る。サービス開始に向けて駅全体の充実に努め、万全盤石の体制を整えた。

 1994年4月1日(金曜日)から、ストアードフェアシステムでは初めて能勢電鉄との共通化を図る。2年後の1996年3月20日(水曜日・春分の日)から大阪市営地下鉄、阪神電気鉄道、能勢電鉄、北大阪急行電鉄との共通利用が可能になり、「スルッとKANSAI」というネーミングでアピールした。

 3番目は営団地下鉄(現・東京メトロ)で、1991年11月29日(金曜日)にNSメトロカードを発売。この日に開業した南北線駒込―赤羽岩淵間の専用だったが、1996年3月26日(火曜日)の駒込―四ッ谷間の延伸開業に伴い、「SFメトロカード」に改称。営団地下鉄全線の他、都営地下鉄全線にも共通利用できるようにした。2000年10月14日(土曜日・鉄道の日)から関東の私鉄・地下鉄を中心とした「パスネット」として、共通利用エリアが大幅に拡大された。

 なお、これらのカードは全て発売終了となった。

●自動改札機にまつわる2つの課題

 自動改札機が普及しても課題は2つあった。

 1つ目は不正乗車。磁気乗車券および入場券は入場の記録がなくても、出場(下車)が簡単にできることからキセルがしやすい難点があった。1994年9月1日(木曜日)に阪急電鉄がフェアライドシステムを導入。成果を得たことで、同業他社にも波及した。

 2つ目は1枚しか投入できないこと。在来線は基本的に1枚で十分だが、新幹線などは乗車券と特急券の2枚を持つ乗客が多いことから、改札は従来通り係員が目視していた。

 2枚以上の投入に対応すべく、JR西日本は開発に乗り出し、1996年12月から大阪環状線鶴橋で供用を開始。近鉄との乗り換え改札に設置され、最大3枚の投入に対応した。

 JR東海も東海道新幹線に最大4枚まで投入可能の自動改札機を導入することになり、1996年11月に試作機を開発。2年にわたる検証の末、1998年2月から10月にかけて供用を開始した。

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