鉄道の「自動改札機」はどのように進化したのか 97年の歴史と未来の姿
ITmedia Mobile / 2024年11月24日 10時5分
●交通系ICカードの普及、QRコード乗車券の台頭で投入口が消える
2001年11月18日(日曜日)、JR東日本の首都圏エリアで交通系ICカード、Suicaの運用を開始。当初、自動改札機は新型と改造の2種類でまかなわれていた。その後、エリアの拡大、同業他社との共通利用、電子マネーとしての利用が可能になると、乗車券の購入客が減少していった。
JR東日本などはIC専用の自動改札機を導入し、きっぷの投入口をなくしたことでメンテナンスの省力化を図った。また、無人駅や自動改札機を設置する必要性がない駅についても、簡易型のIC専用改札機を導入し、エリア拡大や利便性の向上につなげた。
2010年代に入ると、QRコード乗車券用の自動改札機も登場。きっぷを磁気式から普通紙に変更し、QRコードを印刷することで、コストの削減を図った。多くは交通系ICカードにも対応しており、利便性の維持に努めている。
関西では、スマートフォンによるデジタル乗車券の導入にも積極的で、駅の一部の自動改札機を改造して設置。QRコードの読み取り口を右斜めにするところもあり、左手でも容易にタッチできるようにしているものと思われる。
●顔認証改札も実用化
2020年代に入ると、大手の鉄道を中心にクレジットカードでも“タッチ&ゴー”ができる自動改札機がお目見えした。普及すると交通系ICカードを脅かす存在になりそうだ。
究極の自動改札機は顔認証システムで、あらかじめ顔を登録すると、自動改札機が容易に通過できるもの。きっぷの投入、交通系ICカードの読み取り部にタッチする必要がなく、“手ぶらの改札”といえる。2024年6月15日(土曜日)に山万で初めて実用化された。あわせて乗車券も磁気券からQRコードに切り替えた。自前の住宅地にアクセスする鉄道なので、エリアが小さく、導入しやすいのだろう。
●未来の自動改札機はこうなる
2023年11月8日(水曜日)から11月10日(金曜日)まで開催された第8回鉄道技術展(2年おきに開催)で、日本信号は“未来の自動改札機”を展示した。
1つ目は、ガラス張りでオシャレな交通系ICカード専用機。2つ目は交通系ICカード、クレジットカード、QRコード乗車券、顔認証の4つに対応したマルチ認証改札機である。
特にマルチ認証改札機は、磁気券の投入を除き、あらゆるシーンに対応できるのがウリ。山万の顔認証改札機は利用客が限定されることから、大都市にはうってつけであろう。
(岸田法眼)
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