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楽天モバイルの通信品質が改善したワケ 5Gやプラチナバンドの現状、ネットワーク戦略を竹下副CTOが解説

ITmedia Mobile / 2024年11月28日 10時40分

 今後は、AIを基地局の電力削減にも活用していく方針だ。基地局は「24時間365日全国で電波を発射しているため、電力コストの削減はネットワーク運用コストに効いてくる」ためだ。例えば、住宅街だと日中、オフィス街だと夜間はトラフィックが少なくなり、基地局の負荷が下がる。これに応じて、電力を自動的に抑える仕組みを開発。「最大20%の電力削減を実現する機能を商用ネットワークに入れることを目標している」といい、現在、2025年の導入に向け、その準備を進めている。

●エリアと容量の両にらみで品質を改善、5Gは都市部でのエリアも急拡大

 参入当初から急ピッチで基地局を建設し、エリアを広げてきた楽天モバイルだが、その通信品質については次の方針で取り組んでいるという。1つ目が、日本全国どこでも安定してつながりやすいこと。もう1つが、データ通信量の大きなゲームや動画視聴でも遅延や途切れがなく快適に使えることだ。竹下氏は「日本はどの事業者もおしなべて通信品質が高い」としながら、「後発といえども、そこに食らいついていく必要がある」と語る。

 前者のつながりやすさについては、基地局の数を増やしてきたことで、徐々に評価が高まっている。ユーザーからも「つながらないところが減ってきたという声を多くいただくようになってきた」と竹下氏。実際、調査会社Opensignalが発表した「No Signal Availability(信号を受信できない状態)」という指標では、2023年1月に1%を超えていたが、2024年3月時点ではこれが0.57ポイント改善したという。他社も交えたグラフで見ると、3位のソフトバンクとみられるキャリアと数値が近づきつつあることが分かる。

 電波改善に関しては、ユーザーから寄せられた通信品質レポートを活用。現状では、エリアに関する問い合わせとして多いのが屋内施設やビル間の路地だといい、前者は屋内基地局の整備、後者は6月にスタートしたプラチナバンドの活用などでホワイトスポットを解消する動きを推進しているという。

 プラチナバンドは当初、1局のみの状態が続いたが、現在は複数局を運用しているという。

 「具体的な局数は控えたいが、複数局を運用する中で遠い局同士でも電波が届くことが見えている。今現在、1.7GHz帯が届かないところで、プラチナバンドに接続するユーザーがドンと増えるため、展開効果は思った通りというのが見えている中での印象。これから700MHz利用推進協会とともに干渉調整のプロセスを踏んで局数を増やしていくので、来年(2025年)ぐらいにはいい数字を言えるようになる」(竹下氏)

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