楽天モバイルの通信品質が改善したワケ 5Gやプラチナバンドの現状、ネットワーク戦略を竹下副CTOが解説
ITmedia Mobile / 2024年11月28日 10時40分
●災害対策にも注力、衛星とスマホのダイレクト通信も26年に導入予定
イベントでは、楽天モバイルの災害対策における楽天モバイル独自の取り組みも紹介された。1つ目が、基地局のMIMOを遠隔制御で変更する「緊急省エネモード」だ。同社の基地局は通常、4×4 MIMOの仕様になっているものが多いが、これを2×4 MIMOや2×2 MIMOに変更することで、予備電源で駆動できる時間を延長できるという。通常であれば3時間程度しか持たないバッテリーを、2×4 MIMOで4~5時間に延命させることが可能になる。
「最高速度や通信容量が若干減ってしまう副作用はあるが、それによって基地局が長持ちして、より長い時間つながることの方が重要。多くの事例で、電力は3~4時間で復旧する」(竹下氏)
また、他社と同様、災害対策にはStarlinkも活用している。KDDIが導入したStarlink回線を基地局のバックホールとして使うソリューションも導入しており、「伝送路が切れてどうしてもすぐに復旧ができないときに、衛星を使って基地局とデータセンターをつなぐことができる」(竹下氏)。Starlinkの活用は始まったばかりで、現在、「移動、可搬型の基地局に配備を進めている」という。
衛星通信に関しては、2026年に開始を予定するAST SpaceMobileのダイレクト通信にも竹下氏は期待を寄せる。スマホと衛星が直接通信できるようになることで、「今現在、地上のネットワークがない山間部や海でも利用が可能になる」。日本のキャリアは、国土カバー率で70%程度となっており、残る30%は電波が届かない。このような場所もエリア化できるのが、ダイレクト通信のメリットだ。竹下氏も「これができることで、本当の面積カバー率100%が見えてくる」と語る。
AST SpaceMobileは9月に商用衛星「Block 1 BlueBird」を5機打ち上げており、10月には全てのアンテナ展開に成功した。衛星とスマホのダイレクト通信は、KDDIが年内にStarlinkを使い、商用化する予定。総務省でも現在、その制度化が急ピッチで進められている。ドコモも、衛星やHAPSを活用した面積カバー率拡大を目指しており、今後は空の上での競争も激化しそうだ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
楽天モバイル、関東での5G(Sub6)エリア拡大計画を前倒し 最大1.6倍→2.1倍にまで拡大
ITmedia Mobile / 2024年11月27日 15時31分
-
「AI-RAN」でソフトバンクのネットワークは何が変わる? ユーザーのメリットとビジネス上のインパクトを解説
ITmedia Mobile / 2024年11月16日 9時35分
-
楽天モバイルが楽天グループの“5年ぶり四半期黒字化”に貢献 モバイル単体の黒字化も目前か
ITmedia Mobile / 2024年11月14日 16時6分
-
ソフトバンクの5Gネットワークがさらに進化 AIと5Gを同一インフラで運用する「AITRAS(アイトラス)」発表
ITmedia Mobile / 2024年11月13日 12時37分
-
ドコモ、「つながりやすさ」向上へ次の手を打つ 「エリアの広さ」に加わる要素は?
ITmedia Mobile / 2024年11月7日 19時6分
ランキング
-
1ECナビカードプラス、2025年3月で年間利用ボーナスポイントを終了
ポイ探ニュース / 2024年11月28日 11時26分
-
2そうはならんやろ! “炎の絵”を芸術的に描いたら…… “おきて破り”の衝撃ラストが1000万再生超え「泣いちゃいそう!」
ねとらぼ / 2024年11月28日 8時0分
-
3どうする? 大学生用パソコンの選び方 「4年通しよりも2年で買い替え」がオススメな理由
ITmedia NEWS / 2024年11月28日 13時26分
-
4Dynabook、セルフ交換バッテリー機構を搭載した14型ノートPC「X74」
マイナビニュース / 2024年11月28日 11時3分
-
510000mAh前後の「大容量コンセントプラグ付きモバイルバッテリー」おすすめ4選 USBケーブル内蔵の3in1モデルも【2024年11月版】
Fav-Log by ITmedia / 2024年11月28日 6時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください