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NTTのAIは「頭で勝負する」 自分だけの“ファンサ”、空飛ぶ避雷針、電池技術の美顔マスクも公開

ITmedia Mobile / 2024年12月5日 11時50分

NTTのAIは「頭で勝負する」 自分だけの“ファンサ”、空飛ぶ避雷針、電池技術の美顔マスクも公開

NTT R&D FORUM 2024の会場展示の様子

 NTTは、11月25日~29日に開催した技術公開イベント「NTT R&D FORUM 2024」にて、同社独自の生成AI「tsuzumi」の実用化や光量子コンピュータのデモンストレーションの詳細を説明した。この他、月面探索向けのワイヤレス給電システム、バーチャル空間での新しいコミュニケーション手法、雷対策ドローン、美顔マスクといったユニークな取り組みも紹介。プレスデーで披露された中身をレポートする。

●独自生成AI「tsuzumi」も進化、900社以上から導入相談

 プレスデーの基調講演後半では、NTT独自の生成AI「tsuzumi」の進展について、NTT執行役員研究企画部門長の木下真吾氏が説明した。tsuzumiは2023年3月の商用開始以降、既に900社以上から導入の相談があるという。最近では、MicrosoftやSalesforceのクラウドにも採用が決まるなど、外部展開も本格化している。

 木下氏は、最近の生成AI開発における大規模化競争について問われ、「サイズが全てではない」と明確な見解を示した。「本当に求められる超人工知能を目指すなら、もっと効率的な方法を追求すべきだ。サイズ競争だけだとお金を持っている人が勝ってしまう。研究所なので頭で勝負したい」と語った。

 tsuzumiの特徴として、軽量であることに加え、カスタマイズ可能性、マルチモーダル対応、日本語処理の高精度さを挙げた。

 実証実験では、社内購買システムの自動操作や、音声の特徴から話者の属性を判断するAIエージェント、スポーツトレーナーのような動作指導、ネットワーク障害対応など、幅広い応用例を示した。特に、基盤モデルを1から開発(スクラッチ開発)していることで、データ管理や性能チューニングの自由度が高いことを強調した。

 この他に木下氏は、非侵襲型(採血を必要としない)のグルコースセンサー(体内の血糖濃度を測定するためのセンサー)の小型化や、Personal Sound Zoneによる新しい音響体験の実現、農作物品種改良技術の開発など、NTTグループの幅広い研究開発の取り組みについても紹介。各技術の詳細については、会場での展示を通じて具体的な成果を示した。

●tsuzumiが「考えて動く」エージェントに進化 画像認識と自律的な操作を実現

 tsuzumiの展示の1つでは「エージェント化」のデモンストレーションが行われた。オンラインショッピングの発注プロセスを例に、tsuzumiの新機能を紹介。なお、今回のデモは実験段階のシステムによるもので、実際のサービスとして提供されているわけではないという。

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