1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. モバイル・アプリ

NTTのAIは「頭で勝負する」 自分だけの“ファンサ”、空飛ぶ避雷針、電池技術の美顔マスクも公開

ITmedia Mobile / 2024年12月5日 11時50分

 デモでは、まず商品カタログの画像を見せると、tsuzumiは画像の内容を理解し、適切な検索キーワードを自動で生成。例えば、紫色のノートの画像から「紫 ノート」という最適な検索ワードを導き出し、検索システムに入力する。これは単なる画像認識ではなく、検索に適したキーワードを判断して入力するという、より実用的な理解を示している。

 さらに印象的なのは、社内の発注システムとの連携だ。商品をカートに入れた後、発注伝票の作成では、社内マニュアルを参照しながら、適切な勘定科目や品目を自律的に判断して入力フォームに記入。人間のように「この場所には何を入れればいいのか」を考えながら作業を進める。

 表形式の商品カタログからの情報抽出も可能になった。例えば「ブラックの品番で検索して」という指示に対し、カタログ内の表構造を理解し、該当する品番を特定して検索するといった複雑な処理も実現している。

 NTTによれば、今回のような特定の発注システムとの連携は実験段階だが、社内マニュアルを参照した質疑応答システムについては、既に実用化されている例もあるという。

●NTT技術を結集した光量子コンピュータが始動 理研との共同で3.5万ゲート規模を実現

 展示会場では、11月8日に理化学研究所で稼働を開始した光量子コンピュータのデモンストレーションも行った。古澤明教授による実演では、理研の量子コンピュータと会場を結び、リアルタイムでの計算処理を披露。現時点で101入力の線形演算が可能で、約3.5万ゲート規模という「モンスターマシン」を実現している。

 従来のコンピュータが「NANDゲート」による論理演算で計算を行うのに対し、量子コンピュータでは量子ビットの重ね合わせ状態を利用。例えば3桁(10ビット)の足し算には350の量子ゲートが必要となるが、重ね合わせ状態を保ったまま計算できる点が大きな特徴だ。デモでは、クラウドサーバを介して理研の量子コンピュータにコマンドを送信し、複数の数値の重ね合わせ状態での計算を実演。数カ月後には掛け算機能も追加され、「ユニバーサルな計算」が可能になるという。

 展示では光量子コンピュータの基幹部品も公開した。PPLNと呼ばれる特殊な非線形光学結晶が内部に実装され、古典的な光を入力すると量子的な光が出力される仕組みだ。この装置により、量子コンピュータの入力に必要な量子状態を効率的に生成できるという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください