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NTTのAIは「頭で勝負する」 自分だけの“ファンサ”、空飛ぶ避雷針、電池技術の美顔マスクも公開

ITmedia Mobile / 2024年12月5日 11時50分

●月面活動を支えるワイヤレス給電技術 砂や氷を活用した新たな電力伝送システムを開発

 NTTは月面探査に向けた新たな電力供給技術として、ワイヤレス給電システムを開発している。このシステムはインバータを介して生成した高周波をアンテナから発信し、受電側のアンテナで受け取る仕組みだ。

 展示では小型ローバー(月面車)の模型を使用したデモンストレーションを行い、実際の無線給電の様子を披露した。現在は数十ワット程度の送電だが、アンテナを大きくすることで数キロワットから数十キロワットまでの送電が可能。これは有人ローバーの駆動に必要な電力をカバーできるレベルだという。

 月面での実用化に向けては、2つの運用方式を想定している。1つは高密度のエネルギー伝送が可能な「道」を設置し、その上をローバーが走行する方式。もう1つは充電スポットを設置し、ローバーが自律的に充電に訪れる方式だ。例えば、氷の採掘基地とロケット発射場を結ぶ固定経路での運用など、具体的なユースケースも検討されている。

 この技術が月面での活用に適している理由の1つは、地上では課題となる電波干渉の問題が月面では少ないことだ。また、月の砂(レゴリス)など現地の資源を活用できる点も特徴となっている。現在、JAXAなど宇宙機関との連携も開始しており、実用化に向けた取り組みを進めている。

●バーチャル空間で実現する1対1のコミュニケーション 心電図データで効果を実証

 NTT人間情報研究所は、バーチャル空間での新しいコミュニケーション手法を開発している。同じ映像コンテンツを視聴していても、視聴者一人一人が演者と1対1でインタラクションしているような体験を提供する技術だ。

 具体的には、視線が合い、演者が自分に対して呼びかけ、それに応えると演者が反応を返すといった、リアルでは実現が難しいコミュニケーションを可能にする。事前に収録されたコンテンツながら、各視聴者が「自分だけに向けられた」パーソナルなコミュニケーションを体験できる仕組みだ。

 開発チームは、VTuberやボーカロイドのファンを対象とした実験で効果を検証。心電図による心拍変動の分析から、従来の「全体に向けた」配信と比べて、1対1のインタラクションの方が視聴者の興奮度が高まることを確認した。具体的には副交感神経の活動指標が低下し、より高い没入感や熱狂が得られることが分かったという。

 今回は単一視聴者向けのデモを展示しているが、将来的にはリアルタイム配信での活用も視野に入れているとのことだ。人間中心設計の観点から、人の感性や感覚に焦点を当てた新しいコミュニケーション体験の創出を目指している。

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