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4キャリア8社が災害時に“呉越同舟”の協定 25年度末の事業者間ローミングはどうなる?

ITmedia Mobile / 2024年12月21日 10時49分

 そんな課題を認識していたドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルのモバイル系キャリア4社と、固定回線を持つNTT東日本、西日本やNTTコミュニケーションの3社に持株会社であるNTTを加えた計8社で構築したのが、今回発表された協力体制だ。枠組みとしては、NTTグループとKDDIが取り組んできた「つなぐ×かえる」プロジェクトに、ソフトバンクや楽天モバイルが参画し、事業者間の連携を強化していく。

●「アセットの共有」「船舶」「固定との連携強化」――進める3つの取り組み

 新たな枠組みでは、8社がどのように協力していくのか。NTTの災害対策室 室長を務める森田公剛氏は、この協定を「アセットを自社に限るのではなく、通信事業者全体が1つの企業として取り組む」仕組みだと語る。現状で決まっていることは、主に3つある。1つ目がアセットの共同利用、2つ目が船舶の共同利用、3つ目がモバイル通信事業者と固定通信事業者の連携強化だ。

 1つ目のアセットの共同利用とは、ビルや土地、車両など、各社が持つ資産を、8社で共用していくことを指す。NTTグループからは、通信の拠点に活用している建物やその周囲の土地などを提供することを想定しているという。「NTTの通信ビルに空きスペースがあればぜひ皆さんに活用していただきたい。復旧活動の拠点にしたり、復旧機材や資材の置き場にも活用したりできる」(同)というのが、その目的だ。

 例えば、「固定通信のビルはNTT東西合わせて7000ぐらいある」(同)と数が多い。「実際には人が入れない、機械しか置いていないビルが大半だが、その周辺にも敷地があって、駐車スペースなどを資材置き場として活用できる」(同)。日本各地に光回線を張り巡らせているNTTだからこそ、提供できる資産といえる。これだけだとNTTグループからの持ち出しが多いようにも見えるが、「お前のところは少ないというような話は一切していない。各社のアセットを包み隠さず出していく」(同)方向で議論が進められているという。

 実際、キャリアに参入してからまだ日が浅い楽天モバイルからも車両や発電機などに給油するための拠点が提供される。また、楽天モバイルは、親会社である楽天グループを通じて「楽天市場や楽天トラベルといったアセットを提供することにも、前向きに取り組んでいきたい」(楽天モバイル BCP管理本部 本部長 磯部直志氏)と、通信以外の分野でも協力する姿勢を示す。

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