総務省のガイドライン改正で激安Androidスマホは軒並み値上げに それでも“実質24円”が残るワケ
ITmedia Mobile / 2025年1月11日 12時24分
一方で、ガイドラインには、何をもって残価とするのかという明確な基準が設けられていなかった。中古市場などを参照し、根拠を出すことは明示されていたものの、厳密性には欠けていた。そのため、キャリアごとに出す残価の予想値には開きがあった。業界関係者によると、中には、メルカリやヤフオクといったC2Cのマーケットを参照にしていたケースもあったという。ここに統一基準を持ち込んだのが、改正ガイドラインの特徴だ。
参照するのは、中古携帯電話業者の業界団体であるRMJの公表している価格だ。データは、RMJに加盟する正会員9社から集計しており、端末の状態は「A」ランクから「C」ランクを対象にした。後継機を発売し、値付けする場合には、同型の先行モデルを参照して残価率を算出する。端末購入プログラムで残債を免除する場合、これを超えた分が割引と見なされ、ミリ波非対応の場合、その上限は4万4000円となる。
緩かった基準が、厳格化されたといえる。結果として、端末によっては残価の大幅な見直しを余儀なくされている。構造的に、中古市場でのリセールバリューが低くなりがちな機種ほど、その影響を受けやすい。その反面、中古市場で人気の高いモデルについては、あまり価格が変わらなかった面もある。キャリアによっては、本体価格を変更し、価格を調整したケースも見受けられた。
●残価がリセールバリューに準拠、激安Androidは軒並み値上げに
中でも影響が大きかったのは、Androidの一部端末だ。例えば、GoogleのPixelシリーズは、ユーザーからの人気が高く、3キャリアが導入していたこともあり、価格競争が激化していた。中でも最もベーシックな標準モデルに位置付けられる「Pixel 9」は、その傾向が顕著だった。ガイドライン改正前は、auがMNPで2年実質47円、ソフトバンクに至っては、機種変更でも2年実質24円という格安価格で販売していた。
一方で、RMJの公開している買い取り価格の推移を見ると、Pixelの残価は比較的下がりやすい傾向がある。タイムラグがあるため、RMJのデータは発売から9カ月目までしか公開されていないが、先代にあたる「Pixel 8」は、その時点で4万8010円まで下落していることが見て取れる。発売時のGoogle直販価格は11万2900円。1年たたずに、買い取り価格が直販価格の4割程度まで下がってしまっているというわけだ。
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