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なぜ日本のスマホカメラはシャッター音が鳴るのか “自主規制”緩和の動きはあるも、見直しを議論すべきでは

ITmedia Mobile / 2025年1月28日 10時52分

・シャッター音をオフにできない理由「また、安全性を担保するため、一部製品を除いてお客さまご自身でシャッター音の設定を変更することはできなくなっております」

 大手キャリアは販売しているスマートフォンに対し、共通して「盗撮防止」を理由にシャッター音が鳴り、搭載目的から利用者が消せない状態にしていると回答した。これが「自主規制」として、20年以上慣例的に続いている。また、ソフトバンクの回答にあるように、各都道府県の迷惑防止条例に配慮するためという側面もあるようだ。

 ここで視点を広げてみよう。世界的に見るとスマートフォンのシャッター音は「オフの設定」にできる国や地域が大半だ。iPhoneなどの人気機種では、この機能を求めてあえて海外から輸入して使うユーザーもいるほど関心は高い。

 事実、スマートフォンのシャッター音について、自主規制で鳴らす設定の日本を除き、具体的に規定されている地域は韓国のみ。世界的にもシャッター音がほぼ強制されているのはこの2カ国しかない。

 韓国では2004年に通信キャリアやメーカーなどによる業界団体の韓国情報通信技術協会の基準案をもとに、韓国情報通信部(当時)がルールを規定。内容は携帯電話のシャッター音を利用者が任意でオフにできないこと、シャッター音を鳴らす音量レベルなどが規定されている。

 規定の背景は「盗撮行為の防止」となっており、ここは日本と同様だ。韓国の規定もあくまで業界内の共通ルールとしており、これに違反をしたところで法的な拘束力はないとしている。

●スマホのシャッター音、日韓共に「オフの設定」を求める声が多数派に

 盗撮行為の防止を背景に設定されたシャッター音。その一方で改善を求めることは多い。ITmedia Mobileが読者向けに行った「スマートフォンのシャッター音」についてのアンケートでは75%が「シャッター音は不要」、90%が「オフの設定が欲しい」の回答だった。

 このアンケート結果にはSNS上でも賛否両論のコメントが多く寄せられており、日本におけるスマートフォンのシャッター音というテーマが高い関心を示している。

 同じような境遇の韓国でも2023年に政府機関の国民権益委員会が「携帯電話のシャッター音」についてアンケート調査を行っている。こちらも「シャッター音を自分で設定できる(オフの設定)が欲しい」という回答が約85%を占めた。

 シャッター音を鳴らしてほしくない理由として、両国のアンケート共に「耳障り」という意見が多い。小さい子供やペットを撮影する際にシャッター音を理由に撮影機会を逃す、静かな環境で音を鳴らしてしまい、場の雰囲気を悪くしてしまうという意見が多かった。

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