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不足する「AI人材」 社会は変わる、学生はどうする?

ITmedia NEWS / 2024年6月27日 9時5分

 社会で不足するのは、AIを使った開発ができるエンジニアであり、理系というイメージが強いが、実際にAIを活用するのは文系の分野である。例えば経営やマーケティング、営業戦略を、AIによるデータ分析なしで乗りきろうとする会社がどれだけ生き残れるだろうか。

 今後の就活を考えれば、文系の学部・学科こそ、「AI活用」という意味でのAIスキルの取得を促進していくべきなのだ。専門性+データサイエンス、という組み合わせがイメージしやすいかもしれない。開発者が足りないというのはあくまでも目先の問題であり、最終的にAIを利用する分野は、理系も文系も関係なく幅広い。

 一方で大学の目的は研究・探求であり、就職のための職業訓練校ではない。膨大な紙の文献に埋もれながら、浮世離れしていても仕方がないのだという考え方もある。だが就職に弱い学部・学科はどんどん生徒数が減り、弱体化していくこともまた事実である。大学はすでに少子化ゆえに子供の取り合いになっており、「就活で強い」は学部・学科だけでなく、大学そのものの存続という意味でも重要なパラメータだ。

 大学は、去年までならChatGPTに目を光らせていれば十分だった。だがすでに今年、Apple、Google、MicrosoftがコンピュータやスマートフォンのOSにAIを組み込み始めている現状では、それらをツールとして利用する学生も、どこからがAIなのか、その境目が溶けて分からなくなってゆくだろう。教員の裁量に任せるといわれても、1人の教員があらゆるOSやツールに精通しているわけではなく、管理には限界がある。

 どの大学でも、あるいはどの学部・学科でも、もはやコンピュータやスマートフォンを使うということは、AIを切り離せないということを認識する必要がある。加えてどこからがAIで実現していることなのか、自分の学びの中にAIをどう使っていくべきかを総合教育科目の中で扱わなければ、試験やレポートの収集が付かなくなるだろう。

 くしくも25年度入学の子たちからは、AIの基礎知識となり得る「情報 I」を必修で学んでいる。加えてGIGAスクール構想で、コンピュータ(iPad含む)が扱えない子もいない。25年度に大学は、大きな変革の波を経験することになるだろう。

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