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「生成AI検索」は著作権侵害なのか? 日本新聞協会の“怒りの声明”にみる問題の本質

ITmedia NEWS / 2024年7月29日 11時0分

 これは大変だ、と大騒ぎする気持ちは分かる。かく言う筆者もこうしたコラムでメシが食えるのは、皆さんがどこからか知ってここにアクセスして広告を回してくれるからだ。

 だが一消費者の目線として言わせてもらうと、昨今のニュースサイトでは、もしかして内容を読ませたくないのかと錯覚するほど、本文の邪魔になるように広告が展開される。本文を見るのに15秒ほどの動画広告を見せられたかと思うと、そのあとシレッと別の全面広告が表示されたりする。特にスマートフォン用サイトでその傾向が顕著だ。いくら広告によって無料でニュースが読めるとはいっても、二重三重に広告機能が被さっており、もはや一線を越えてしまった感がある。

 昨今生成AIサービスがさかんにスマートフォン向けのバージョンをリリースしているが、筆者は最初そのメリットがよく分からなかった。AIを使って調べものをするなら、PCのほうが便利だろうと思っていたからだ。

 だが広告のジャングルをかき分けてニュース本文を懸命に追いかけるより、AIに探させてファクトだけ知ったほうが早いと考える人も一定数いるのではないか。つまりスマホ向けAIの実装は、行き過ぎた広告モデルに対する消費者の反感を利用したマーケティングともいえるのではないか。そんな風に考えると、スマホにAIがガンガン実装される理由も腑に落ちる。

 新聞協会の指摘は、情報コンテンツとAIサマリーの問題のように見えるが、その本質はコンテンツと広告の出し方の問題にあるのではないか。サマリーだけ見て十分というひとがいるというよりは、広告から逃れるためにAIを使うという人の流れがあるということは、無視するべきではないだろう。

 筆者はメディアの仕事に首までつかってもう40年になる。今さらきれい事を言ってもどうにもならないのだが、メディアには消費者に対してより良いコンテンツ体験を提供する使命があると思っている。でもそれは金が回ってからの話だよね、というところを恥ずかしげもなく消費者に漏らさなければならないほど、メディアが広告で食うのは、難易度が高くなっているということなのである。

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