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「夏でも背中ひえひえ」は本当か? “ペルチェ素子入り”リュックで痛感した理想と現実

ITmedia NEWS / 2024年8月18日 11時0分

 なお、薄すぎるマチだが、おそらく土台部分にメッシュを採用したことと関係があるように思う。というのも構造上、収納部分の荷重も全てメッシュが支えるようになっており、もしマチを広げて容量を増やしてしまうと、メッシュと縫製がさらに引っ張られることになる。ここは想像だが、強度が確保できる容量に抑えるべく、あえて薄いマチを採用したのかもしれない。

 3つ目はモバイルバッテリー起因の問題で、リュックスペーサーと同じく、電源が切れたモバイルバッテリーをコントローラーから起こすことができない。こちらも、リュックから一度モバイルバッテリーを取り出して電源を入れるか、スリープする前にペルチェ素子ユニットの電源を入れるしかない。

 ところが、ペルチェ素子ユニットの下(リュックの底面)に、ちょうどモバイルバッテリーがすっぽり入るスペースがある。ここに、電源ボタンを外側にしたモバイルバッテリーを配置することで、背負ったまま後ろに手を回してモバイルバッテリーの電源を入れられる。本来のモバイルバッテリー用ポケットを利用するのが一番なのだが、外から電源ボタンに届かないため「運用でカバー」させてもらった。

 4つ目は洗えない点だ。いくらペルチェで暑さが和らぐとはいえ汗は普通にかくので、背中のパッドにも汗が染み込む。衛生的にも定期的に洗いたいところだが、取扱説明書によると水に浸けたり丸洗いしたりは禁止となっている。なので、パッド部分の汗は濡れタオルなどで拭くぐらいしかできない。後継モデルがあるのなら、ペルチェ素子ユニットを取り外せるなどメンテナンス性の改善を期待したい。

 と、いくつか不満点も書いたが、この世に万人が満足する完璧な商品なんてのは幻想に近いので、大体どこか折り合いを付けながら使うもの。クーリュック2の「犠牲」が納得できるなら大変便利なグッズだと思う。

●アイデアを形にする大変さ

 誰でも一度は考える……かもしれない、ペルチェ素子入りリュックだが、クーリュック2を見てると、他のメーカーで同様の製品をあまり見かけない理由が分かったような気がする。キモはやはり排熱処理で、そこにメッシュ素材でゴリ押しするという“裏ワザ”で商品にしたのはさすがサンコーといえる。

 一方で、「真夏でも快適リュックライフ」の実現に、ペルチェ素子がマッチするかといえばそうでもないことも分かってきた。ペルチェ素子を使わずとも「スペーサー単体」で通気性を高めるだけも一定の効果を感じたので、ベンチレーションに特化した専用品を使うのも手だ。また、ペルチェ素子をリュック側ではなく人間側に置くのも1つの手かもしれない。今回試せていないが、ソニーのREON POCKETシリーズのように身体に装着する商品もいくつか出ており、それをリュックと組み合わせるという方法もあるだろう。

 2つの製品を試して分かったが、「猛暑でもリュックを快適に使う」はなかなかに高いハードルだと感じた。おそらく完璧な商品は存在せず、どの部分を重視してどこを諦めるか、条件は人によって変わる。おのおのが最適なソリューションを見つけて、まだまだ続く猛暑を乗り切ってほしい。

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