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フリルがメルカリに負けた本当の理由 スマートバンク堀井翔太CEOが語る「エグい学び」の先

ITmedia NEWS / 2024年8月29日 17時30分

 この「ミッション制」により、各チームに明確な目標と権限が与えられている。堀井氏は自身の役割の変化についても語る。

 「私の役割は、各チームに寄り添いながら、彼らがどのような課題解決を目指しているかを把握することです。そして、意思決定プロセスの最終段階で承認を行うという形で関与しています」

 つまり、細かい実務から離れ、より戦略的な判断に注力できる体制を整えているのだ。

●フリルの挑戦が示す日本のスタートアップ環境の進化

 フリルがメルカリに敗れた要因として挙げた3つのポイントは、単なる一企業の失敗談ではなく、日本のスタートアップ環境の成熟過程を如実に表しているといえる。

 特筆すべきは、これらの要因が時間軸とともに変化し、複雑に絡み合っている点だ。12年当時、フリマアプリ市場は未成熟で、まだ成功法則が確立されていなかった。ベンチャーキャピタルですらC2Cサービスの成長戦略を明確に示せない状況下で、フリルは市場開拓の先駆者として「時代の壁」に直面していたともいえる。

 資金調達の面でも、時代による制約は大きかった。当時の日本の投資環境は現在ほど成熟しておらず、大型の資金調達はハードルが高かった。これは個人の経験不足だけでなく、スタートアップエコシステム全体の課題でもあった。

 これらの要因を総合的に見ると、フリルの「敗北」は単なる企業間競争の結果ではなく、日本のスタートアップ環境の成熟過程における犠牲だったとみることもできる。フリルの挑戦があったからこそ、後続の企業がより洗練された戦略を立てられるようになった。

 堀井氏の「発明したやつではなく勝ったやつが正しい」という言葉は、スタートアップの成功にはプロダクトだけでなく「適切なタイミング」が極めて重要であることを示唆している。同時に、先駆者としての挑戦がエコシステム全体の発展に寄与するという、スタートアップ界における「世代間の知識継承」の重要性も浮き彫りにしている。

 堀井氏は新たな挑戦としてB/43を立ち上げた。「プロダクトが人の解決手段になって、行動習慣を変えて社会を変えて、社会をよくできるものになればいい」。B/43の挑戦は、単なる「リベンジ」ではなく、日本のスタートアップ環境の成熟を体現した次世代の挑戦として位置付けられるだろう。

 フリルからB/43へ。その今後の展開は、日本のスタートアップ業界全体にどのような影響を与えるのか。多くの起業家や投資家が、高い関心を持って見守っている。

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