「自然災害不安」にポータブルバッテリーを 新製品を大量投入したECOFLOWを“防災目線”で見る
ITmedia NEWS / 2024年9月7日 10時0分
さらにソーラーパネル入力が2系統となり、500W+500Wで約70分でフル充電となる。ソーラーパネルは、たくさんつなげばたくさん電力が得られることは当たり前だが、複数のパネルを接続する際に、直列よりも並列の方がメリットが高い。直列は接続が簡単だが、片側が日陰になるだけでもう片側の出力も下がるという欠点がある。
並列つなぎではそのようなデメリットはないが、2又になったケーブルを別途用意する必要がある。2枚までならそう難しくないが、3枚、4枚となると、もうトーナメント表みたいな配線になっていくので、大変ややこしい。そうなるのも、多くのポータブルバッテリーにはソーラーパネルの接続口が1系統しかないからである。
Delta 3 Plusはソーラーパネル接続で広く普及しているXT60を2系統にしたことで、2枚つなげば普通に並列つなぎになる。この程度の中型機ではなかなかない仕様だ。
もう一つの電源入力として、車用オルタネーターチャージャーを使っても、1時間20分でフル充電できる。車からの充電ではシガーソケットからの充電が一般的だが、これだとせいぜい8A程度しか取れないので、時間がかかる。オルタネーターチャージャーは、車の発電機の余剰電力を取りだして800W出力できるので、このスピードというわけだ。
車で避難するというケースはそれほどないにしても、家屋がダメージを受けた場合、大型車やキャンピングカーなどを所有している方は、車内に一時避難することは考えられるだろう。EV車じゃなくてもエンジンをかければ高速充電できるのは、備えとしては検討に値する。
出力としては1500W、最大サージ3000Wなので、家庭用エアコンも駆動できる。容量拡張という面でも、Delta 3 Pro用の4kWh拡張バッテリーと組み合わせられるようになった。単体でも冷蔵庫は動かせるが、合計5kWhあればエアコンを動かす事も視野に入ってくる。真夏の停電で、数時間でもエアコンが動かせるのは大きい。
Delta 3 Plusの重量は約13kgなので、男性ならなんとか1人で持てないこともないが、これを持って逃げるのは非現実的だろう。拠点となる家庭や車に据え置きと考えるべきだ。
●持って逃げるなら「River 3」
「River 3」は、同社ポータブルバッテリーではもっとも小型だった「River 2」の後継機で、入出力の仕様は変わらず、さらに小型化を進めたモデルだ。容量は245Whで、River 2の256Whのおよそ95%と、少なくなっている。
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