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最近のスタートアップ「資金調達後のPRあざとくない?」問題 “界隈”にぎわせたCEOに意見をぶつけた

ITmedia NEWS / 2024年10月31日 11時55分

山田CEO:自分の中では、本音と建前というより“先行指標と結果指標”みたいな分け方をしていました。採用は数字は先行指標として見ていただけで、結果指標は日本からホームランを出すことにあります。

 世界で“場外ホームラン”を打っている会社は、プライベートエクイティの状態で1000億円規模の資金調達をしています。上場のタイミングではさらに1000億、2000億と調達します。これだけのお金があると、産業は変わります。一方で日本の場合はIPO時の時価総額の平均がだいたい170億円くらい。資金調達も16億円程度です。これで産業の変化は起こりません。

 同じように革命を起こそうとしている人がいて、世界では高い値段が付くのに、方や日本はこれだけです。VCも期待値170億円なので低い企業価値しかつけないし、低額の投資しかしないゲームになってしまっています。

 (業界が)こういったデッドロックに陥っているので、誰かが声を上げないと変わらないなと思いがありました。ただ、これは数カ月では確認できません。5年、10年単位で見ないと、効果があったかは確かめられません。

──具体的に、スタートアップやそれを巡るエコシステムをどのように変えたいと?

山田CEO:僕が考えた結論は「黒船を連れてくる」ことです。不遜な言い方にはなりますが、日本のスタートアップエコシステムは、ダイニーという素晴らしい日本発スタートアップに対し、残念ながら投資の機会を逸してしまいました。

 ダイニーがどれだけもうかっても、日本のVCはさほどもうからない──という構造を意図して作りました。こういう構図を作ることで「“170億プレイ”をしていたらいい会社に投資できない」と、日本のVCもようやく気付くだろう、と。

 実は、問題はもう一つあります。スタートアップとVCの“主従関係”です。投資をしてもらう以上仕方ないですし、VCも「偉いのは起業家ですから」と言いますが、日本は投資家とスタートアップの数が釣り合っていないので、どうしても投資家の方が偉い構図になってしまいます。これは誰が悪い、というわけではないのですが。

 とはいえ、この状態で声をあげられるのはスタートアップだけです。VCにとっては低いバリュエーションで投資できる、“安く買って高く売れる”良い状態なので、抜け出すことはできません。そう思って今回のような発信をしました。

──note内ではいわゆる“スタートアップ界隈”を指して「いやしくてつまらない『界隈意識』と、くだらない『同調圧力』を楽しんでいる」と批判していました。一方で、それを受けた起業家とのやりとりや、その他VC関係者の反応などは、これぞまさしく内輪な“スタートアップムラ”だったのでは、と思うところでもあります。山田様が意図したような“界隈”を発奮する効果は得られたのでしょうか

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