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ソニーの謎ソリューション「Contents Production Accelerator」、よく分からなかったので詳しい話を聞いてきた

ITmedia NEWS / 2024年12月18日 13時36分

 もちろん、開発コストや時間は膨大にかかった。OSのアップデートもままならず、基本的には塩漬けで使うシステムである。いまだWindows 7で動いているシステムもザラだ。さらにそのメンテナンスともなれば、開発ベンダー側にもめちゃくちゃ負担がかかる。サポート終了OSを無理して使い続けているわけだから、セキュリティレベルも下がる。

 放送局の設備更新は、だいたい10年から12年周期で行われる。初期に導入した編集支援システムも、更新時期にさしかかっているわけだが、いわゆる一点もののシステムの問題点も見えてきた。開発コスト、開発期間、メンテナンスコスト、セキュリティといった課題を解決できない。

 初期IPシステムは、とにかくベースバンドでやってきたことと同じ事ができるようにして欲しいというところからスタートした。だが局内IPシステムも第2期を迎え、もう少しIPならではのメリットを生かしたいといった具合に、局の意識も大きく転換している。

●“注文建築”から“建売”へ

 そこでソニーでは、局の都合に合わせた一点ものではなく、どうせならもう少し汎用性の高いシステムに入れ替えませんか、という提案を考えたわけだ。

 「Contents Production Accelerator」を担当するソニーマーケティング B2Bプロダクツ&ソリューション本部の統括課長 庄野 雄紀氏は、この考え方を独特の言い回しで表現する。

 「従来はお客様に対して、重厚長大な”注文住宅”を作るっていう世界だったんですけど、 ある時から標準的なモデルを組み合わせることによっても、お客様のニーズをより効率的に満たすことができるっていうところが見えてきたんです」

 例えば「Ci Media Cloud」は、わざわざカスタマイズしなくても、そのままの機能で多くの映像制作会社やハリウッドの映画制作会社には受け入れられている。放送局の報道においても、生放送というタッチーな部分の直前、編集支援システムのところまでは標準モデル、すなわちSaaSでいけるんじゃないか、という話である。

 SaaSのメリットは、その代表選手であるMicrosoft 365を考えれば分かりやすい。現在ビジネスシーンではメインストリームとも言えるオフィスツールだが、標準的な機能でビジネスは十分に回るし、特殊な用途に関してはマクロを組んだりプラグインの追加でカバーできる。アップデートが行われれば、全てのユーザーに恩恵がある。何より、特注開発よりも圧倒的に安いし、出来上がったものを入れるだけなのので、開発期間という待ち時間も実質ゼロだ。

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