自分のクルマが「ロボタクシー」になって稼ぐ? テスラ「Cybercab」に見る、自動運転の未来と現実
ITmedia NEWS / 2024年12月30日 10時0分
iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。
2024年10月10日、世界中のTeslaファンが待ち望んでいた発表がありました。かねてより、イーロン・マスク氏が予告していた完全自動運転のタクシー「Cybercab」です。
「We, Robot」と題された今回の発表イベントは、ハリウッドのワーナー・ブラザースのスタジオで実施されました。スタジオツアー向けと思われるノスタルジックな町並みの中を20台のCybercabが実際に人を乗せて自動運転で走行していました。日本でいうと太秦映画村の中を走り回る感じでしょうか(違うか……)。
何はともあれ、Cybercabのプロモーション動画をご覧ください。キャビンの前方に、大きなスクリーンが設置されているだけで、ハンドルはありません。移動中にオンラインのビデオ会議、動画の鑑賞、睡眠などを行う乗客の様子が描かれています。
中には、「My hooman will be back」と映し出されたスクリーンの前に、犬(おそらく柴犬)がちょこんと座っているシーンもあります。ちなみに、「hooman」というのは、動物目線による「人間」という意味だそうです。
この動画にあるような世界が現実のものになったらと思うと、今からワクワクします。ただ、現在のTeslaの自動運転FSD(Full Self-Driving)バージョン12は、ドライバーの監視を必要とするものです。
順番としては、ロボタクシー事業を始める前に、完全な自動運転を実現しなければなりません。イベントに登壇したイーロン・マスク氏は、25年にはテキサス州とカリフォルニア州でModel 3やModel Yによるドライバー監視なしのFSDを可能にすると発言しています。
ただ、監視なしの自動運転は当局の認可が必要なので、本当に実現するのかどうか現時点では疑問符だらけです。いつものマスク節全開で、我田引水な時間軸を口にしたものなのか、既に当局との折衝が進行しており、ある程度見込みが立っているのか、そのあたりはなんとも分かりません。
●米国ではロボタクシーがすでに営業中
Alphabet傘下のWaymoは、完全自動運転、つまり無人走行による配車サービスをサンフランシスコ、フェニックス、ロサンゼルスなどで開始しています。
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