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「シンプルなカードケース」は“キャッシュレス時代のお財布”になれるか?

ITmedia NEWS / 2025年1月30日 8時40分

 考えてみれば、名刺とカードは、それを出し入れするシチュエーションが全く違う。両方を一度に出す必要がある状況になることは、まずないだろう。サイズが同じだから、まとめて入れられるという合理的な判断は、しかし、実際に「使う」ことを考えると、あまり便利とはいえなくなるのだ。

 「クレジットカード、キャッシュカード、免許証などの物理的はカードは、持っていないと困ったり、面倒な手続きが必要になるシーンがまだまだあります。一方で、最近、名刺がなくても、以前より困るシーンが少なくなりました。なので、交換の機会があるのが分かっている場合のみ持ち歩くようにしています。余談ですが、最近、むやみに名刺を渡すのは控えていて、さらに名刺から住所も消し、名前、QRコード、メールアドレス、やっている事業のURLだけにしました。送るものがある時は、どこにお送りしたらいいかを別途確認するので、名刺に住所は必要ないと考えました。マレーシアでは、ビジネスの場でも名刺を渡す機会がなく、(米Metaのコミュニケーションアプリの)Whatsapp(のアカウント)をその場で交換します。日本は、なかなか名刺はなくならないですが、いつかなくなるんじゃないかと思います」と話す南さんだからこその、思い切った発想と言えるのではないだろうか。

 名刺は入れないと決めてしまえば、あとの問題は、複数のカードから、いかにスムーズに必要なカードだけを取り出すかということに絞られる。それを、ケースから完全に取り出さずに、扇状にカードを開くというアイデアで解決しているのが、このカードケース最大のイノベーションだろう。名刺も入れるとなると、「選ぶ」に、ここまでフォーカスは当たらない。

●扇状に開くとカードを取り出しやすい

 「カードをケースの中で扇状に開くというアイデアは、最初はなかったんです。いろいろと検証していった結果、この形になりました。私は、商品を作る際に、他社の商品も含め、様々な商品の内容物や指の”動き”を観察します。今回の場合は、スタッフや関係者の他社製カードケースを見せてもらい、それを出したり、入れたりする際の動画を撮らせていただいて、繰り返し、どういう指の動きで、カードを取り出しているかを観察しました。カードを重ねて収納するタイプのカードケースでは、2枚目以降のカードを見て取り出す際に、必ずカードをスライドする動作が入ります。色々なスライドのパターンを検証した結果、トランプでババ抜きをする時や、銀行員がお札を広げるように、扇形に開く方法が、スライドが簡単で、見やすく、カードも取り出しやすいことに気づきました」と南さん。

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