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「山奥ニート」という現代の遁世 棚園正一さんに聞く“人生の心の保険” 「いろいろな生き方があって良い」

ねとらぼ / 2024年6月29日 12時0分

「山奥ニート」という現代の遁世 棚園正一さんに聞く“人生の心の保険” 「いろいろな生き方があって良い」

現代の遁世の軌跡を描いた『マンガ「山奥ニート」やってます。』

 社会や人から距離を置き、山奥の限界集落で集団生活を送る人たち――そんな現代的な遁世の軌跡を描いた漫画『マンガ「山奥ニート」やってます。』が光文社から6月26日に刊行された。

 同作は、「山奥ニート」を主催する石井あらたさんの実録エッセイを漫画化したもので、JAグループの家庭雑誌『家の光』で連載されたもの。「どうやって生きていけばよいか分からない人たちが、山奥の過疎集落で、他の人たちと共同で、生活する」ことを描いた。

 出費を切り詰めながら、最低限必要な生活費を稼ぎ、好きなことをして生きる――山奥での生活を選択した人たちの軌跡を「ギュッと圧縮した走馬灯のよう」にした同作。北関東の山奥で狩猟しながら半自給自足生活を送る俳優の東出昌大さんは、同作に「生きてりゃいい。けど、ニートだろうが「楽しく生きてる」なら最高じゃん!!!!」と帯コメントを寄せている。

 あとがきで石井さんは、「山奥ニート」という選択を“人生の心の保険”と表現。「この作品から何かを感じて、それが新たな選択肢の土壌となり、異なる価値観に理解を深めるきっかけとなることを願います」と結んでいる。

●コミカライズを手掛けた棚園正一に聞く「山奥ニート」

 コミカライズを手掛けたのは棚園正一さん。自身の小・中学校時代の不登校経験を描いた漫画『学校へ行けない僕と9人の先生』(双葉社)で知られる。不登校時代に漫画家の鳥山明さんと出会ったことで世界が大きく変わったことも注目された。

 山奥ニートに興味を持った背景を棚園さんはこう語る。

棚園 最初は単純に「山奥ニート」という言葉に引かれました。アウトドアとインドアのような、真逆に感じる2つの言葉がくっついて、ひとつになっていて面白いなと。

 そして、『学校へ行けない僕と9人と先生』に通じるテーマが潜んでいると感じました。いろいろな生き方があって良い。自分以外の人を主人公に、そのテーマを描きたいという想いがありました。

 コミカライズは、『学校へ行けない僕と9人の先生』が刊行されたころ、石井さんに直談判したという。

棚園  2015年の秋に石井さんがイベントでたまたま名古屋に来られた際に会いに行ってお話しさせていただきました。

 ただ、その後、自分は他の仕事が決まって、なんとなく山奥ニートの構想から離れてしまっていたのですが、その間に石井さんは自身の体験をまとめたエッセイを光文社から出版して、それがベストセラーになり、雑誌『家の光』でコミカライズの話が進み、漫画を担当する作家として指名してくださいました。

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