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肉弾戦がないのは海外進出のため? 「わんだふるぷりきゅあ!」の海外事情を考える

ねとらぼ / 2024年7月25日 18時5分

 また、欧米の子ども向けテレビの規制については詳しく記された「NHK放送文化調査研究年報 45『子どもに及ぼすテレビの影響』をめぐる各国の動向」では、例えばカナダのテレビ番組のランク付けについての記載で、8歳未満の子どもの視聴可能対象は「攻撃的な場面はほとんど含まれない」ものとなっています。

 大人向けのアニメであればともかく、「子ども向け」として定義されるアニメーションとしては、女の子、特に児童に見える少女が、肌の露出や短いスカートで足を上げて戦う、パンチやキックをしたりされたり、というのはまだまださまざまな規制の対象になる国も多いようです。

 そんな中、「わんだふるぷりきゅあ!」の肉弾戦のない平和的な作風は、これまでは展開できなかった国にも積極的に販売でき、海外進出の大きなメリットになるものと思われます。

 かつて米国で作られた「パワーパフ ガールズ」が成功したように、そして何より「セーラームーン」の海外人気を見ても「戦う女の子」の子ども向けアニメーションの需要は欧米諸国にもあるように思われます。プリキュアシリーズもそこに続いていくと良いですよね。

●日本独自のビジネス形態も

 また、プリキュアを含む日本の子ども向けアニメーションの特徴の一つとして「アニメと流通の密接な関係」があります。児童雑誌で新キャラが発表され、アニメ内で新アイテムの登場と同時に、おもちゃ屋さんにも同じアイテムが販売されるといった「アニメ」「おもちゃ」「流通」が一体となり盛り上げていくムーブメントがプリキュアの強みです。しかし、現状では海外でその施策はとりづらく、どうしても「映像作品のみ」での勝負となっています。

 版権によりグッズ展開するコンテンツビジネスも今後の課題のようで、2024年の東映アニメーションの株主総会でも「プリキュアの展開でも、海外で国内と同じような施策をとれるよう検討したい」旨の発言もあり、今後の展開にも期待したいですよね。

●プリキュアチームに男の子がいるのも海外を意識?

 また、2022年以降のプリキュア作品の特徴の一つとして「男の子」の存在がクローズアップされるようにもなってきました。「デリシャスパーティプリキュア」(2022年)の品田拓海、「ひろがるスカイ!プリキュア」(2023年)の夕凪ツバサ、「わんだふるぷりきゅあ!」(2024年)の兎山悟のように、プリキュアと行動を共にするチームに必ず「男の子」が入っているのも、海外展開を意識している部分があるのかもしれません。

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