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パッと見で分からない細かいこだわりも バッファロー開発陣に聞くWi-Fi 7ルーター「WXR18000BE10P」の秘密【後編】

ITmedia PC USER / 2024年5月1日 15時5分

 永谷卓也氏(コンシューマーマーケティング部 BBSマーケティング課)は、通信に必要な消費電力という観点からこうつけ加えた。

 通信速度との「トレードオフ」として、Wi-Fi 7の特徴である320MHz幅の通信ではデータを送信する側の機器で電力消費と発熱が大きくなります。(対応するには)それ相応の対策が求められるので、PCやスマホにおけるWi-Fi 7対応は(コストを掛けやすい)ハイエンドモデルが中心になるでしょう。 発熱や消費電力を抑えるために、ハイエンドモデルでもWi-Fi 7対応のモジュールをあえて避けたり、対応モジュールを搭載しながらも“意図的に”無効化したりするデバイスが出てきたりすると思われます。

ルーター側も発熱に配慮

 永谷氏は、Wi-Fi 7ではクライアント機器だけでなくアクセスポイント(ルーター)側も消費電力や発熱面での対策が欠かせないという。

 WXR18000BE10Pの開発で苦労したポイントの1つが、ボディーサイズと消費電力、放熱機構です。「先代(WXR-11000XE12)からボディーサイズを据え置きつつ、消費電力を抑制し、放熱の効率化を図りながら通信品質を担保する」ということは、デバイスのバランスを整えるという観点で難易度の高い取り組みでした。

 森川大地氏(ネットワーク開発部 第一開発課)も、本機の開発に当たっての苦労をこう語った。

 放熱面では、ヒートシンクやヒートスプレッダーの設計を調整したり、プラスチック製のボディーとの間に熱伝導シートを入れたりすることで、熱を本体全体に“散らせる”ように工夫をしました。作り替えた回数を数えると、100回以上になるのではないかと思います。

 320MHz幅の利用やMLOのサポートがオプションと聞くと、「じゃあ何がWi-Fi 7における必須事項なの?」と思う人もいるかもしれない。次ページでは、その“必須事項”がもたらすメリットについて話を聞く。

●「4096QAM(4K QAM)」がもたらすメリットは?

 Wi-Fi 7において必須となる機能は「4096QAM(4K QAM)」への対応だ。

 「QAM?」と思う人がいるかもしれないので、簡単に解説したい。QAMは「Quadrature Amplitude Modulation」の略で、日本語では「直交振幅変調」あるいは「直角位相振幅変調」と訳されることが多い。電気信号と電波を相互に変換する「変調」方式の1つで、頭に付いている数字が大きければ大きいほど、より多くの電気信号(≒データ)を一気に伝送できる。

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