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GPUの「レイトレーシング処理」改良の歴史をひもとく【GeForce RTX 40シリーズ編】

ITmedia PC USER / 2024年7月18日 19時30分

 例えばAMD初のリアルタイムレイトレーシング対応GPUとして2020年登場した「Radeon RX 6000シリーズ(RDNA 2アーキテクチャ)」は、まさにその典型例だ。同シリーズの最上位モデル「Radeon RX 6900 XT」には、「Infinty Cache」という名称のL3キャッシュ(LLC)を128MBも搭載していた。

 こうした大容量LLCは、一般的なグラフィックス処理系の高速化に貢献するのはもちろん、レイトレーシング処理にも大きなパフォーマンス向上をもたらす。実際、NVIDIA自身もGeForce RTX 40シリーズの発表時に大容量LLCの効果の一例として、このことを挙げていた。

 GeForce RTX 40シリーズでは、RTコア自身にも幾つかの改良を施されている。

●GeForce RTX 40シリーズの「RTコア」はどう改良された?

 GeForce RTX 40シリーズのRTコアは「第3世代」とされている。GeForce RTX 30シリーズに搭載されていた「第2世代」と比べると、大きく4つの改良ポイントがある。それぞれ、見ていこう。

改良ポイント1:交差判定のスループット改善

 1つ目の改良ポイントは、インターセクション処理のパフォーマンス改善だ。GeForce RTX 40シリーズのRTコアでは、インターセクション処理のスループット(実効速度)が先代比で2倍に向上している。

 この“2倍”という値は、RTコア1基当たりの改善による値だ。製造プロセスの微細化(8nm→5nm)のメリットを生かした動作クロックの向上、演算器の集合体である「Streaming Multiprocessor(SM)」の増量(≒RTコアの増量)も加味すれば、同等クラスのGPUチップとの比較なら先代の2倍以上の実効性能向上となる。

 実際、NVIDIAは「GeForce RTX 3090 Ti(GA102)」に対する「GeForce RTX 4090(AD102)」のRTコアの性能向上を「2.4倍」としている。

改良ポイント2:Opacity Micromap Engineの搭載

 GeForce RTX 40シリーズのRTコアでは、トラバース処理の強化も行われている。

 投げられたレイがポリゴンに衝突したかどうか判定を行うインターセクション(交差判定)処理において面倒なのは、例え「ポリゴンに衝突した」と判定されたとしても、「そのポリゴンは本当に実体として存在してますか?」と、疑って掛かる必要がある点に尽きる。

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