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VRやハイスペックPCは教育をどう変えるのか? マウスコンピューターと大阪教育大学が「VR教材」セミナーを開催

ITmedia PC USER / 2024年7月25日 17時10分

 以上のことから、GIGAスクールにおける学習用端末の活用と並行して、パソコン教室の整備や活用を進める必要性があり、そのことが各教科の学びの質の向上や効果的な探究学習を後押しできると分かったとのことだ。

 少し言い方を変えると、VR映像の作成や動画編集、3Dプリンタを活用するには、現状の学習用端末やパソコン教室の旧世代PCではスペック的に不十分ということになる。

●「VR教材」が教育にもたらす効果を実体験

 セミナーの第2部は、授業における「VR(仮想現実)教材」や「次世代パソコン教室」の活用事例報告と、セミナー参加者による“実体験”が主な内容だった。

 VR教材の授業への活用については、大阪教育大学の中野淳客員教授が「VR教材で実現する主体的・対話的で深い学び」と題して、VR教材の体験時間を交えつつ講演を行った。

 中野氏は「VRというと、(教材を)作るのが大変だと思われるかもしれないが、VR撮影用の360度カメラを使えば、映像の撮影は簡単にできる。撮影した映像は、専用のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)だけでなく、(児童/生徒が使う)学習用端末でも自由に見ることができる」と語る。

中学校の音楽科における活用事例

 とはいえ、実際に体験しないとVR教材のメリットは分かりづらい。そこでセミナーの参加者を幾つかのグループに分けて、HMDやタブレット端末を使って「オーケストラのVR映像」を視聴することになった。

 このVR映像については、大阪府豊中市立第七中学校の内兼久秀美教諭が利用に至った経緯や効果を説明した。

 小中学校における音楽科の授業は、音楽的な見方や考え方を働かせ、生活や社会の中にある“音や音楽”と豊かに関わる資質や能力の育成することが目的とされている。その一環として行われるのが「音楽鑑賞」だ。

 従来、音楽鑑賞ではDVDに収録された映像などを用いることが多かった。しかし、内兼久氏は「2Dの映像では、オーケストラのように数多くの楽器が一斉に演奏される楽曲では、いろんな音が同時にたくさん聞こえてくる。しかし、画角が(映像の)編集者の意図によって決まっているので、生徒たちが『この楽器はどんな音色をしているんだろう?』とか『この楽器はどんなメロディーを奏でているんだろう?』といった“気付き”を得ることが難しい」と課題を指摘する。

 その点、VR映像は360度見渡すことが可能で、生徒(や児童)が学習用端末で見たいと思った視点に切り替えながら見ることもできる。確かに、内兼久氏の指摘する課題を解決する手段として有用だ。

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