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AMDの新CPUアーキテクチャ「Zen 5」の採用でRyzen 9000/Ryzen AI 300は強くなった? 特徴や変更点を解説

ITmedia PC USER / 2024年7月30日 19時10分

●Ryzen AI 300シリーズの見どころは「高速NPU」だけではない

 昨今のAI(人工知能)ブームを受けて、スマートフォン業界のみならずPC業界にも「AI対応」の大きな流れが押し寄せてきており、PC向けCPUにも推論に関わる演算に特化したNPU(AIプロセッサ)を搭載する動きが進んでいる。

 そんな中、Microsoftは5月、新しいAI PCの定義を発表し、要件を満たしたモデルに対して「Copilot+ PC」というブランドを付与し始めた。

 Copilot+ PCでは、CPU(またはSoC)に40TOPS(毎秒40兆回)以上の処理性能を備えるNPUの搭載が求められる。この要件を満たすCPUは当初、Qualcommの「Snapdragon X Elite」または「Snapdragon X Plus」のいずれかのみで、x86(x64)ベースの製品はなかった。

 この要件に適合できるx86ベースのCPUをいち早く出すべく、AMDは今回Ryzen AI 300シリーズも同時発表したわけだ。

 Ryzen AI 300シリーズの「300」は、第3世代であることを表している……のだが、AMDのモバイル向けAPUのラインアップを見てみても、「第1世代」「第2世代」に相当すると思われる製品が見当たらない。そう、実は本シリーズのリリースに当たり、AMDはこっそりと“リブランディング”を実施したのだ。

 第1世代の「Ryzen 7040シリーズ」、第2世代の「Ryzen 8040シリーズ」を経て、第3世代たるRyzen AI 300シリーズに至る――そんな感じである。このように、新モデルがリリースされる際に行われる「歴史改編」は、AMDに限らずIntelやNVIDIAでもたまにある。

CPUコアに「Zen 5c」も採用

 さて、Ryzen AI 300シリーズのCPUコアはZen 5アーキテクチャなのだが、Ryzen 9000シリーズとちょっと違うポイントがある。

 本シリーズの場合、CPUコアが2種類用意されている。通常の「Zen 5コア」は、1基当たり最大4基のCPUコアを統合している。Ryzen 9000シリーズのCCDと比べるとCPUコアの最大数が半減しているものの、基本的な設計に変わりない。

 もう1つのコアは「Zen 5cアーキテクチャ」を採用している。Zen 5cの「c」は「コンパクト(compact)」を意味しており、通常のコアと比べると実装面積が削減されている。両アーキテクチャの違いについては、後ほど触れる。

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