ArmがQualcommに「アーキテクチャライセンス」の契約解除を予告 スマホやPCに及ぼす影響は? 両社の見解は?
ITmedia PC USER / 2024年10月24日 14時49分
ArmがQualcommに対する「アーキテクチャライセンス」を取り消すことが判明
米Bloombergが10月22日(米国時間)、ArmがQualcommに対する「アーキテクチャライセンス」を取り消す通知を行ったという旨を報道した。
この報道で伝えられたことは、スマートフォンやPCにどのような影響を及ぼすのだろうか。Arm、Qualcomm両社のコメントと共にお伝えする。
●「アーキテクチャライセンス」はArmのビジネスモデル
Armは、スマートフォン/タブレットやPC、組み込み機器で使われるCPUやGPUの“アーキテクチャ”の設計をなりわいとしている。
「それならIntelやAMD、NVIDIAと同じでは?」と思う人もいるかもしれないが、これらの企業は、自ら設計したCPU/GPUを自社で販売している。それに対して、Armは自らCPU/GPUを販売していない。「ならどうやって生計を立てているの?」という点だが、アーキテクチャをもっぱら他社にライセンス(利用許諾)することで生計を立ている。
AppleやMediaTekなど、同社のライセンス供与先は多岐に渡る。QualcommもArmとライセンス契約を締結し、その上で同社のSoC(System on a Chip)に搭載するCPUコアの設計を行ってきた。
●ArmはなぜQualcommへのライセンスを取り消すのか?
Qualcommは、各種無線通信チップやスマホ/タブレット向けのSoCを設計/販売するメーカーだ。現行のスマホ/タブレット向けのSoC「Snapdragonシリーズ」や、PC向けSoC「Snapdragon Xシリーズ」のCPUコアは、Armアーキテクチャベースとなっている……のだが、そのCPUコアこそが今回の問題の“核”となっている。
Qualcommは2021年1月、同社の子会社であるQualcomm Technologiesを通して米国のベンチャー企業「Nuvia」を買収した。NuviaはArmアーキテクチャベースのCPUの設計/開発を手がけており、それをSnapdragonブランドのSoCに統合することが狙いだった。
この買収の成果が結実したのが、2023年10月に発表されたPC向けにSoC「Snapdragon X Elite」で初採用されたCPUコア「Oryon」だ。OryonはNuviaが開発を進めてきたCPUコアがベースとなっており、先般発表されたスマートフォン向け新型SoC「Snapdragon 8 Elite」にも採用されることが決まっている。
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