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ArmがQualcommに「アーキテクチャライセンス」の契約解除を予告 スマホやPCに及ぼす影響は? 両社の見解は?

ITmedia PC USER / 2024年10月24日 14時49分

 少し時間を戻すが、Qualcomm TechnologiesがNuviaを買収した際に、ArmはQualcommにライセンス契約の見直しを要求した。買収先の製品(CPUコア)をQualcommが生産する場合、「契約上の要件を満たす必要がある」と考えたためだ。しかし、Qualcommは「既存の契約に基づいて開発や販売は可能」との立場で、交渉は平行線をたどった。

 ArmとQualcommの交渉はうまく行かず、ArmはNuviaへのライセンス契約は2022年3月をもって打ち切った。しかし、Nuviaへのライセンス契約が終了した後も、QualcommはNuviaのCPUコア(≒Oryon)の開発を“継続”したため、2022年8月31日(イギリス夏時間)にQualcomm、Qualcomm Technologies、Nuviaと他1社を米デラウェア州連邦地方裁判所に提訴した。これに対して、Qualcommも2024年4月にArmに“反訴”をしている。

 今回、ArmがQualcommに対してライセンス契約の解除を通告したのは、ライセンス違反状態の是正を求めるためだと思われる。実際の契約解除は通告から60日後となる。

●今後はどうなる?

 先述の通り、ライセンス契約の解除は通告から60日後となる。その間にArmとQualcommの間で交渉がまとまれば、契約解除は回避できるだろう。

 万が一、交渉がまとまらなかった場合、QualcommはArmアーキテクチャベースのCPUコアを搭載するSoCを開発/販売できなくなる可能性がある。SnapdragonブランドのSoCはスマホ/タブレットはもちろん、最近は「Copilot+ PC」準拠のノートPCでも広く使われているため、影響は決して小さくない。

●両社の見解

 今回Armが取った措置について、同社およびQualcommは以下の見解(ステートメント)を寄せた(日本語訳は著者が実施)。

Armのステートメント

オリジナル Following Qualcomm's repeated material breaches of Arm's license agreement, Arm is left with no choice but to take formal action requiring Qualcomm to remedy its breach or face termination of the agreement. This is necessary to protect the unparalleled ecosystem that Arm and its highly valued partners have built over more than 30 years. Arm is fully prepared for the trial in December and remains confident that the Court will find in Arm's favor.

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