Appleのオーディオ機器はなぜ評価されるようになったのか? AirPods Pro 2の「聴覚補助機能」からヒントを探る
ITmedia PC USER / 2024年11月12日 12時5分
本機能でやっていることは、まさに管理医療機器としての「補聴器」と同じで、厚生労働省から承認も受けている。ただし、先に紹介したヒアリングチェックと同様に、承認はソフトウェア機能に対して行われている。AirPods Pro 2自体が補聴器として承認されているわけではないことには注意したい。
ヒアリングチェック/ヒアリング補助機能への対応は共に、AirPods Pro 2自体が日本における聴覚検査機器や補聴器となることを意味しない……のだが、「それじゃあ無駄か?」というと、決してそんなことはない。
WHOが2021年に初めて取りまとめた「世界聴覚報告書」を見てみると、軽度~中等症までの難聴を持つ人は思っている以上に多い。この報告書によると、全世界には15億人の難聴者がいて、そのうち10億人以上は軽度~中等度の難聴だという。日本でも約1430万人の難聴者がいるとされており、これは人口の1割を超えている。
「難聴であれば、補聴器を使えば良いのではないか?」と思う人もいるだろうが、難聴の症状があっても、補聴器を保有していないケースは少なくない。海外では補聴器の購入に医師が発行する「処方せん」が必要な国/地域もあり、補聴器の購入自体が“ハードル”となっているケースもある。日本の場合、補聴器の購入時に処方せんは必須ではないが、個人に最適化された性能の良い補聴器はかなり高額な上、買える場所が限られる。
筆者には、人間の声に近い周波数帯の音を聞くと「耳鳴り」が発生するという知人がいる。この知人はTVや映画を見る際にセリフが聞き取りにくいというものの、近傍での会話や街中で自動車の運転には問題がない。ゆえに「補聴器を使うほどではない」と考えているそうだ。
このような軽度~中等症の難聴を抱える人にとって、手軽に使えるAirPods Pro 2を通して聞こえに関する問題が緩和できたとすれば、補聴器の有用性を理解できる良い機会になるかもしれない。
●聴覚補助機能は「耳の健康」を守る上で大切
筆者が実際にヒアリングチェックを行ったところ、左右の耳の聞こえ具合は共に「4dBHL」という結果となった。そのため、新たに追加された聴覚補助機能による補正がどのようなものか、自分で体感することはできなかった。
AirPods Pro 2のバッテリー駆動時間は、公称で最大6時間とされている。そのこともあり、聴覚補助機能が発表されてから「こんなに駆動時間が短くては補聴器の代替にはならない」という辛辣(しんらつ)な声もあった。
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