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「AirPods Pro 2」のヒアリング補助機能は歓迎 パナソニック補聴器事業に聞いて分かった歴史とミッション

ITmedia PC USER / 2025年1月21日 15時5分

 加齢性難聴は、40歳くらいから徐々に症状が現れるという。補聴器は音が聞きとりづらくなったと感じたら、すぐに使い始めた方がいいという。

 一方で、難聴と耳鳴りの関係性も明らかになってきた。ストレスで耳鳴りが起きるという場合もあるが、研究によると、原因の多くが難聴だとみられている。難聴で音が届きにくい状態だと、弱い信号を補うために脳が活動し、過度な興奮状態となり、耳鳴りが脳で発生するというメカニズムだ。難聴になると、特に高い音が聞き取りにくくなるため、高い音を脳で強調しようとすることで発生し、これが耳鳴りになる。

 この仕組みからも分かるように、耳鳴りを軽減することに、補聴器は効果があるという。補聴器から音が正しく耳に届くことで、耳鳴りの原因となっている音を強くしようとする活動が収まり、脳の興奮が減り、その結果、耳鳴りを軽減できるからだ。

 そして、難聴と認知症との関係も明らかになっている。認知症の専門家などで構成するランセット国際委員会では、認知症になりやすい要因として、難聴をトップに挙げている。

 その理由として、難聴者は音の処理に脳の活動を取られてしまい、その代わりに高次な知的作業が減り、脳の萎縮が加速することや、コミュニケーションが少なくなり、社会的活動が減ってしまうことによる認知機能の低下、耳から脳に伝わる音声刺激の減少による認知機能の低下などを指摘している。

 裏を返せば、補聴器を使用することで、人とのコミュニケーション機会が得られ、脳の活性化につなげることができるというわけだ。

 ちなみに、パナソニックでは、簡単にチェックができるアプリの「きこえ3分チェック」と、Webサイトの「聞こえチェック」を用意している。20代は1万9000Hz、30代は1万7000Hzが聞こえることが目安となっており、50代では1万2000Hzが目安になっている。気になる人は、一度、チェックしてみてほしい。

●ヒアリング補助機能が追加された「AirPods Pro 2」は脅威になるか

 パナソニックの補聴器は、R5シリーズの最上位モデルの価格が両耳で120万円(片耳で65万円)、家庭内での利用を中心に日常生活をカバーできるスタンダードモデルでも両耳で49万8000円(片耳で32万8000円)となる。

 その一方で、Appleが発売している「AirPods Pro 2」は、2024年秋のアップデートで聴覚の健康をサポートする機能を追加し話題を集めている。Appleは軽度から中等度の難聴を認識している人に、医療用と同等のヒアリング補助機能を提供すると説明しており、ノイズコントロールモードで聴覚を保護することになる。

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