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朝ドラ「虎に翼」制作統括・尾崎裕和さんロングインタビュー《前篇》俺たちの轟(戸塚純貴)は当初から同性愛者と設定 同性婚の話は「必然」

iza(イザ!) / 2024年8月30日 12時0分

――朝ドラでそうした問題を取り上げることには意義があると感じる一方で、異質なものという受け止めもあると思いますが…

「登場人物たちの考えや行動を見て、どう受け止めるかは見てくださった方の自由ですし、ドラマでこうしたテーマを扱うことで何かを考えるきっかけ、問いかけのようになればいいのかなと思っています」

戦争は終戦後も途切れずに続いてる

――原爆裁判や総力戦研究所について、モデルになった三淵さん夫妻がそれぞれ実際にかかわられた史実に基づいて書かれていると思いますが、各々の問題に関しておふたりがどのように感じ、何を考えておられたのかという、記録に残っていない部分についても劇中で掘り下げられていました。そうした繊細な問題について創作していくのはある種恐れ多いことで、そこにトライしたことは素晴らしいと思うのですが、尾崎さんはそのことに関してどのように感じ、脚本化・映像化していく過程で抱えた問題、悩みなどをどのように乗り越えていかれましたか?

「実際に行われた裁判なので資料はあって、弁護士の方たちが残した記録が資料化されてネットでも見られます。それに沿った形でドラマに落とし込みました。三淵嘉子さんは原爆裁判の合議の3人の裁判官の1人で一番長く関わられた人ですが、合議で誰が何を言ったかは合議の秘密ということで書き残されていませんので、寅子たち裁判官がどう考えたかについてはフィクションで、判決は変わりませんが、このドラマの寅子であればこういうふうに考えるのではないかというところを描いています。悩んだというか、スタッフと議論したのは判決文のところでしょうか。法廷で読み上げるのは裁判長なのですが、どう演出すると一番伝わるのかはすごく話し合った記憶があります」

――原爆投下から終戦の時期の寅子の感情を一切描かなかった理由は?

「寅子も夫の優三(仲野太賀)とお兄さんの直道(上川周作)を戦争で失った大きな悲しみはあって、それは劇中でも描いていたと思います。ただ今作は、戦争が終わった後も戦争は終わってないというか、戦争っていつ終わるんだろう?ということにウエイトを置いています。総力戦研究所での経験を航一がずっと背負っていたり、原爆が投下された時だけではなく、何年も経った後でも被爆者の方たちが苦しんでいて裁判にもなるというふうに、戦争というものがどこかでスパッと終わるのではなくて、途切れることなくずっと続いてるのではないかという捉え方で描いています」

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