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[岩田太郎]【米列車脱線事故、JR福知山線事故と酷似】~老朽化激しい米インフラ、さらなる惨事を懸念~

Japan In-depth / 2015年5月14日 21時0分

ワシントン・ニューヨーク路線区間にあるニュージャージー州のポータル橋は100年以上前の1900年に竣工し、老朽化が著しいが、毎日15万人を運ぶ450本の列車が通過している。架け替えには9億ドルが必要だが、今回の予算削減で修理はさらに遠のく可能性がある。2012年10月のハリケーン・サンディで損傷を受けたニューヨーク州内の列車トンネルの補修は数十億ドルが必要だが、遅々として進んでいない。

川崎重工業の米国工場製新型車両を導入し、日本でも話題の首都ワシントン地下鉄でも5月13日、5千万ドルの予算削減が決まった。同地下鉄は今年、2件の発煙事故を起こし、うち1件で1人の乗客が死亡しているし、2009年にも9人が死亡する衝突事故があったため、安全性の劣化が心配される。

フィラデルフィアの事故を受けて、米外交評論サイト『フォーリン・ポリシー』は、「日本が売込み中のリニア技術採用が解決策か」という記事を掲載した。しかし結論は、「人口が過密でない米国には向かず、予算もない」だった。結局、ATS設置やインフラ補修を含む安全対策を地道に進めるしかないのだが、それが遅れ、より大きな惨事が起きる悪い予感がする。

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