[西村健]【東京は安全?“体感不安”は増えている】~東京都長期ビジョンを読み解く!その23〜
Japan In-depth / 2015年5月20日 19時0分
「争いや疑いのことばを知って・・・」と安全地帯の名曲を聞きながら、今回は安全地帯、いや東京の安全について考えていくことにしよう。
東京都長期ビジョンにおいては、都市戦略4「安全・安心な都市の実現」、政策指針10「日常に潜む危険や犯罪から都民を守る、安全・安心の確保」について書かれている。そこでは、犯罪リスクを低減し体感治安を向上するために、通学路に防犯カメラを設置すること(2018年までに公立小学校全1296校)、サイバー攻撃対策の強化(サイバーシステム攻撃検知システムの構築・運用)が目標に掲げられている。
都内での刑法犯認知件数は、26年度で16万134件となった。前年比で1.5%減少しており、平成15年以降連続して減少している。
各種統計データ(注1)からデータを抽出し、まとめて、東京都内自治体間で比較してみた。そうしたところ、以下のようなことが明らかになった。
・認知件数のトップ3は世田谷区、新宿区、大田区
・人口比での認知件数の割合が高いトップ3は千代田区、渋谷区、新宿区
・人口比での認知件数の割合が低いトップ3は御藏島町、神津島町、三宅村(23区では文京区、杉並区、世田谷区)
・昼間人口比での認知件数の割合が高いトップ3は武蔵野市、台東区、羽村市(23区では台東区、葛飾区、豊島区)
・昼間人口比での認知件数の割合が低いトップ3は桧原村、奥多摩町、島部(23区では中央区、千代田区、文京区)
・23区では江東区、目黒区、大田区、世田谷区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、葛飾区が25年と比較して増加
※トップ画像参照/東京都昼間人口の予測−統計データ− 平成27年3月をもとに筆者がデータを作成(出典:警視庁HP「東京都の自治体別刑法犯発生状況」の犯罪発生状況一覧表/平成22年~26年)
皆さん色々意見があるだろう。次に東京の世論調査データを見てみよう。平成23年11月に公表された「都民生活に関する世論調査」という調査がある。
この中で、ここ5年間で東京の治安はよくなったと思うかを聞いた設問では、「よくなった」が15%、「悪くなった」は33%、「変わらない」が42%といった結果になった、
ここで明らかなのは、認知件数は減っているものの、体感不安は増えているということだ。その不安の理由として、この調査では「社会のルールやマナーを守らない人をよく見るから」が49%、「近所で不審者を見かけたり、話を聞いたことがあるから」が36%、「事件に関するニュースをよく耳にするから」が32%という理由のトップ3を占めている。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
修羅の国・足立区、広報紙で自虐ネタと思いきや… 役所が明かす「本当の治安」に耳を疑う
Sirabee / 2024年4月26日 7時0分
-
"大阪名物"と揶揄されたひったくりが20年間で99%減、不良もピーク時の80%減…背景にある「スマホと画像」
プレジデントオンライン / 2024年4月10日 11時15分
-
“盗んだバイク”行く先は解ってる? 盗難二輪車を「持ち主に返す仕組み」に警察も注目
乗りものニュース / 2024年4月4日 9時42分
-
「SASENAI」によって、子どもたちがたくさん笑って、遊んで安全に家に帰ってくる、『当たり前の世界』を実現する
PR TIMES / 2024年4月2日 12時40分
-
LIVE防犯マップ iOSアプリ「警戒LIVE24」リリース
PR TIMES / 2024年4月1日 16時45分
ランキング
-
1“ハラスメント町長”2人辞職へ 池田町長「裸の王様だった」 東郷町長は会見でも“不適切発言”
日テレNEWS NNN / 2024年4月25日 20時59分
-
2自民・森山派、26日にも解散届 派閥で初、総務相宛て提出
共同通信 / 2024年4月25日 22時29分
-
3はあちゅう、しまむらに続きニッセンとも「コラボ中止」 開始3時間前に急きょ...本人訴え「未報道の問題抱えてない」
J-CASTニュース / 2024年4月25日 13時26分
-
4万博着工遅れで露見した日本の建築士の能力不足「世界を知らない」 一級建築士が証言
東スポWEB / 2024年4月25日 6時18分
-
5立ち寄り先の空き家で暴行か 那須2遺体 供述変遷重ねる平山容疑者
産経ニュース / 2024年4月25日 20時18分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください