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[Japan In-depth 編集部]【米五輪王者衝撃の告白「私はトランスジェンダー」】~65年の偽りの人生にピリオド~

Japan In-depth / 2015年6月6日 13時48分

[Japan In-depth 編集部]【米五輪王者衝撃の告白「私はトランスジェンダー」】~65年の偽りの人生にピリオド~

ある一人のアメリカン・ヒーローの衝撃的な告白インタビューが世間を騒がせた。去る4月、米ABCテレビのトーク番組「20/20」にて、ジャーナリストのダイアン・ソイヤ―の独占インタビューを受けたヒーローは、自身がトランスジェンダー(注1)であることを公表した。トランスジェンダーや同性愛者の報道や活動が盛んであるアメリカで、なぜこれほどまでこの告白に国民は衝撃を受けたのか?

それは、1976年のモントリオールオリンピックで世界記録を叩き出した陸上男子十種競技金メダリストのブルース・ジェンナーがその人だったからだ。ジェンナーは当時「世界で最も素晴らしいアスリート」と称され、アメリカ中の国民を虜にした。その後はトップアスリートの肉体美と典型的なアングロサクソン美を売りに、ハリーウッド俳優としても活躍していた。

また、長年に渡りモチべーショナルスピーカー(注2)だった彼は、アメリカ全国を講演して回るなど、メダルを取ってから40年近くも公の場で活躍してきた。現在も長年続いているアメリカで最も有名なリアリティテレビ番組、「カーダシアン家のお騒がせセレブライフ」に登場するセレブ一家の父親として出演中だが、ジェンナーはアメリカの誇り、真のヒーローとされ、特別なリスペクトを受けてきた。

インタビューでジェンナーは、幼い頃より自分は女性であると強く認識していたと告白した。8歳になるくらいから母親や姉の眼を盗み、彼女らの洋服を借りては一人でこっそりと着用していたと語った。家族や世間にカミングアウトなどできず、「自分を偽って65年間生きてきた」と述べた。ジェンナーが過ごしてきた時代の大半は今より遥かに性の問題に対し社会の眼差しは厳しかったに違いない。また、カトリックの家族で育った彼は尚更そうだっただろう。大学はアメフトのスカラーシップで入学する程スポーツに長けていた彼は、自身のアイデンティティの混乱と苦しみを消し去るかの様にスポーツに没頭したと話した。結果、オリンピックのトップメダリストとまで上り詰めたジェンナーは、その驚異的パワーは葛藤があったからこそ生まれたのではないかとも述べていた。

3度の離婚経験があり、6人の実の子と4人の義理の子がいるジェンナーは、インタビュー中、ソイヤ―にこう問われた:「あなたはゲイですか?」それに対し彼は、「自分はゲイではない。いつだって異性が好きだった。」ときっぱりと答え、ジェンダー(性)とセクシュアリティは全く別のものだと説明した。

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