[清谷信一]【挨拶すら出来ない自衛官に物申す】~コミュニケーション能力に難あり~
Japan In-depth / 2015年11月4日 18時0分
我々は幼少時から家庭では勿論、小学生、それ以前の幼稚園や保育園でも挨拶することを学習する。社会人が仕事上であれば、氏名と所属やポジションを名乗り、名刺を交換して挨拶する。挨拶は人間関係の基本である。この基本ができないオトナの組織がある。自衛隊である。
当然ながら軍隊同様の組織である自衛隊は組織内では挨拶は厳しい。敬礼を伴った挨拶を怠ることはない。上官に敬礼もしなければ出世や査定にも当然響く。だが、相手が部外者となると違うらしい。
無論全ての自衛官がそうではないが、仕事上で民間人に会っても、氏名も所属も名乗らない、名刺もださない人たちが少なくない。特に陸自にそのような人物が多いように思える。
本年筆者は陸上自衛隊の衛生部の取材の機会があった。この時同席した衛生部の菊池勇一衛生計画Gp長、井内裕雅薬務班長、川井雅文研究管理係長、渡辺孝雄3佐(薬務担当)は、いずれもこちらが名刺を出しても、名刺も出さず、いずれも官姓名すら名乗らなかった(彼らの官姓名は事後に確認した)。後日記事のゲラを確認のために陸自の広報室に出すと、取材に際しては菊池勇一衛生計画Gp長以外の官姓名は出さないで欲しいとの要望があったが、あまりに身勝手なので敢えて全員の官姓名を公表した。
通常公務員は職務上、相手から誰何されれば官姓名を名乗る義務がある。だが、任務上身分を隠す必要がある情報本部や特殊作戦軍所属の人間ならば、筆者も官姓名は尋ねない。彼らはそのような立場にはない「普通の公務員」である。しかもオフレコの会見でもなく、広報が立ち会うオンレコの取材であった。身分を隠す必要があるはずもない。単に自分の発言が活字になり、後で責任を問われるのが嫌なのだろうがあまりに小役人的であり、公務員としての自覚に欠けている。
公務員が広報を通した取材で匿名を通そうするのは、発言に責任を持ちませんということである。嘘をつくのでは、と取材側に疑われるは当然であり、組織としてそれはメリットにはならない。
そもそも社会人が仕事で組織外の人間に会うのに自己紹介もしないというのはマナー以前の問題だ。しかもそれがシニア・オフィサー(高級将校)であれば尚更だ。かつて石破茂氏は自衛隊を「自閉隊」と揶揄したことがあったが、組織外の人間とまともなコミュニケーションが取れないのは正に自閉的だ。
また筆者は9月にロンドンで開催された軍事見本市、DSEIの取材でも同様の体験をした。デリゲーション(代表団)として陸自からは3名の幹部が訪れ、在英大使館付きの3等陸佐が1名同行していた。残念だったのは彼らに同行していた在英大使館付きの3等陸佐の態度だった。
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