時代遅れのロータリーエンジン~称賛記事ばかりの不思議~
Japan In-depth / 2015年11月9日 7時9分
もちろん威信財としての価値はあるだろう。クオーツ時計が登場し、電波補正が掛かる時代になっても、精度も耐久性も劣る機械式時計は趣味目的用に作られている。それを承知して売り買いするのも悪いことではない。
ロータリーに未来はないことも明らかだ。ロータリーを絶滅させたレシプロでも熱効率での限界に近づいている。自動車ではバッテリー補用が普及しており、さらには熱機関の壁を超えるための燃料電池の適用も始まっている。ここで非効率なロータリーが実用品として再登場する余地はない。**
しかし、再生産されるロータリーの不利について、自動車関連の記事は全く言及しない。異形エンジンの先進的イメージに乗っかっただけの称賛記事に満ちている。これはロータリーの不利を知らないで書いているのであれば不勉強であり、その不利を知りつつ書いているのであれば不誠実なものだ。
*冨塚清「内燃機関禁忌集補遺 -特にレシプロ対ロータリーについて-」『日本機械学会 論文集』70.576(1967.1)p.p.23-25
**なお、筆者は以前に気体水素を利用した自動車の不可を主張しているが、改質型燃料電池は否定したことはない。(文谷数重「水素自動車に未来はない」http://www.huffingtonpost.jp/suchou-montani/hydrogen-car_b_7177380.html)
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