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[Japan In-depthチャンネルニコ生公式放送リポート]【子宮頚がん問題~報道の在り方を考える~】〜医師・医療ジャーナリストの村中璃子氏に聞く〜

Japan In-depth / 2015年11月20日 19時0分

厚労省は中学生を主な接種対象としつつ、10代後半、20代、30代の女性と広く接種を呼びかけていたが、副反応が問題視され始めた2013年以後はワクチン接種の勧奨を取り下げている。村中氏は「以前は7割にまで伸びた接種率が、現在は0.5%以下。月に数十名ほどしか接種していない。“定期接種”と呼ばれながら、誰も接種していない」と述べ、現状国民がワクチン接種を敬遠していることを指摘した。

日本で認可されているワクチンは、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス、通称HPVの中でも、16型・18型のHPVを含むもので、現在は2社からサーバリックスとガーダシルという2種類の別の成分でできたワクチンが発売されている。

村中氏は「『重篤な副反応』として例えば失神が挙げられるが、これは迷走神経反射と呼ばれ、子宮頸がんワクチンに限った反応ではない。またこのワクチンは相当痛いことが治験の段階からわかっており、腕がパンパンに腫れて1週間学校を休むような子もいたが、『副反応』と『有害事象』は別である」と述べた。

「今年の9月16日に行われた(厚労省の)部会での最新報告では副反応を訴えて回復していない少女たちの人数は全国で186人。これまで338万人 もの少女たちがこのワクチンを接種しているので、回復していない副反応の発症率は現在のところ0.005%」と村中氏が言うと、安倍編集長は「もっと多くいるのかと思っていた」とコメントした。

放送中、被害者の会が作成したDVDが流された。このDVDがメディアに大きく取り上げられ、その2ヶ月後、厚労省は定期接種である子宮頸がんワクチンの接種勧奨を差し控える判断を下した。村中氏は「その後、日本産婦人科学会や日本小児科学会は、ワクチンの安全性を訴える声明を繰り返し発表しているが、メディアはそれらを取り上げていない」とメディアの報道に偏りがあることを指摘。また、「2013年12月25日、専門家たちによる詳細な調査がされた結果、『重篤な副反応の多くは心身の反応である』と国は結論付けたが、世論に配慮してか接種は再開されなかった。しかし、『心身の反応』とは『心の病気』ではなく、『心がきっかけとなった体の病気』であることを理解してほしい」とも指摘した。

心がきっかけとなった「体の病気」である心身症の例として氏は、ワクチンを接種していなかったが、両親の離婚問題をきかっけに足が全く動かなくなったという少女の例を挙げた。少女は両親の離婚が取り止められると突然、足が動かせるようになったものの、長らく足を動かさなかったため未だ歩けない状態にあるという。また、別の例としては、身体を激しく震わせる患者のビデオ映像を流しながら「偽発作(ぎほっさ)」と呼ばれる症状を紹介し、「見た目には痙攣のようだが、脳波に異常があるわけではなく、脳の異常ではない」と説明した。

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