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日本企業はグローバル化できるのか? その1~クオンタムリープ株式会社代表取締役 ファウンダー&CEO 出井伸之氏 インタビュー~

Japan In-depth / 2015年12月13日 7時0分

日本企業はグローバル化できるのか? その1~クオンタムリープ株式会社代表取締役 ファウンダー&CEO 出井伸之氏 インタビュー~

「企業のグローバル化」が叫ばれて久しい。日本企業が直面している課題、グローバル化を進めるために必要なことは一体何か。ソニーの社長・会長を経て、クオンタムリープを代表取締役として率いる出井伸之氏に、Japan In-depth編集長安倍とフライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社社長の田中慎一氏が聞いた。

-(安倍)「日本の企業が直面するグローバル化の課題とは?」

企業のグローバル化とは何か定義しておきたいが、単に輸出比率が高いだけではグローバル企業とは言えず、海外で作り海外で売る比率が高い企業が真にグローバルな企業と言えるだろう。

問題になるのはコーポレートガバナンスだ。日本企業のM&Aが盛んだが、日本の外で価値を生み出している企業を買収した際に買収した企業を日本でどうガバナンスしていくか。日本の企業はオペレーションについてはある程度理解しているものの、そもそも基本的なコーポレートガバナンスや、アメリカ型のコーポレートガバナンスとヨーロッパ型のコーポレートガバナンスの違いなどを理解している会社は非常に少ないと感じる。

日本の会社が海外の会社を買収した際、会計基準の違いから日本で利益が出ていないものが海外で利益が出ているとなった場合、一体どちらが正しいのかという問題が出てくる。対応するにはバランスシートの管理という範囲を超えたグローバルなマネジメントに対応出来る人材や体制が必要になるし、東京からガバナンスするのでは全体像が見られないと感じる。

日本企業の中でもワールド・ヘッドクオーターを海外に置く例が増えているが、全体を見るにはニューヨークかロンドンに拠点を置くのがふさわしいのではないか。

もう一つの問題はコミュニケーションだ。コーポレート・コミュニケーションには広告・宣伝やPRだけでなくIRも入るが、日本企業のIR担当者は機関投資家向けに特殊な金融用語で話していることが殆どだ。しかし株主は機関投資家だけでなく個人投資家も存在するのだから、企業経営や個々の経営判断について一般の投資家にも分かるように伝えることが必要になる。だからIRには、営業やマーケティングの経験があってMBAで財務を勉強し、機関投資家と一般の投資家向けに二通りの話し方が出来る人を配置する必要があると思う。

-(田中)「コミュニケーションの拙さによって日本企業の株価は過小評価されているのか?」

もちろんコミュニケーションやその時々のトレンドの影響もあるだろう。しかし株価や企業価値については別の理由を考える必要がある。Google、FacebookやAmazonのようなインターネット企業が、なぜこんなに大きくなっているのか。例えばコンサルティング会社であれば従業員数の規模などで企業価値がある程度決まってくるが、いわゆるプラットフォーム企業にはそれがない。

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