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[遠藤功治]【ZMP上場前夜、自動運転元年 その2】~特集「2016年を占う!」自動車業界~

Japan In-depth / 2015年12月28日 18時0分

各自動車メーカーによる個別の技術開発競争と、政府や警察なども含めたインフラや法規制の緩和などの協力分野、この双方を推し進めて行く、というものです。ここで問題なのは、自動運転と言っても、様々なタイプの自動運転があり、大手自動車メーカーが考えている自動運転と、GoogleやZMPが考えている自動運転は別物である、ということです。



自動運転と言っても、その内容は様々で、主に加減速・操舵・制動面での自動化の水準により、Level-0からLevel-4までに分類されます。何らかの自動化が始まる前の段階、ドライバーが全ての運転操作を行うのがLevel-0ということになります。Level-1とは“特定機能自動化”とも呼ばれ、クルーズコントロールなど、一部の自動化が備わった車を指します。Level-2とは、“複数機能自動化”で、自動ブレーキや自動駐車など、現在、多くの自動車メーカーが、量販車で実践出来ているレベルを指します。

Level-3とは、“限定的自動運転”ともいい、加減速・操舵・制動の全てを車が行うことが出来るが、運転席には人が存在しており、機能限界(緊急事態)になった時には、ドライバーがOverrideして対応する、という水準を指します。内外殆どの自動車メーカーは、この水準を目指しており、どんなに自動運転の水準が上がっても、ドライバーが車内にいることを原則としています。

これに対してLevel-4というのは、“完全自動運転”で、全ての機能は車が行い、人は全く関与しない、というもので、ZMPやGoogleはこれを目指している訳です。つまり、同じ自動運転と言っても、トヨタや日産が目標として開発しているものと、ZMPやGoogleが狙っているものとは違う、ということです。今一つ重要なのは、Level-4はLevel-3の次に来るものではない、継続的技術進化ではない、ということです。

2015年10月の東京モーターショー前後で、トヨタ・ホンダ・日産の3社が、メディアの記者を乗せて、主に首都高で自動運転の走行実験を実施しましたが、これは全てLevel-3の自動走行。つまり、技術的には車は自動で走行できるのですが、ドライバーが常に乗車していて、いつ何時でもOverrideできる、ないしはマニュアルでドライブ出来る、というものです。ですから、原則は、アルコールは禁止ですし、車の免許を持っている人が常に車内にいる、ということが必要です。

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