就活セミナー、仕掛け人は元選手~プロ野球選手のセカンドキャリア その2
Japan In-depth / 2015年12月29日 18時0分
川口は自らの体験から、プロスポーツ選手のセカンドキャリアサポートの重要性を感じている。自身の引退後に、実際に体験した就活への不安を少しでも解消したいと、4年前にセカンドキャリアサポートをスタート。数々の元アスリートをサポートしてきた。来年で5年目を迎える。
2010年のドラフト会議で巨人から育成選手として指名を受けた。体格的には167cmと小柄で決して恵まれてはいなかったが、守備の人、器用な選手として活躍が期待された。しかし、怪我に泣き、わずか1年で選手生活は終わった。
決して忘れることが出来ない2011年10月9日。いつもと変わらない試合前の昼食中、チームマネジャーに肩を叩かれた。そのまま、クラブハウスの応接室へ。双子の弟、隼人(楽天イーグルス・当時)と比べられ、
「弟はよく頑張っているな。お前も同じ位、頑張って欲しかった」と、ばっさり。決して、あの悔しさは忘れることが出来ない。
「こんなに、簡単に終わってしまうものなのだ」
巨人はその年、選手25人の大規模な整理を行った。正直、この後、何をしたらいいのか全く分からなかった。川口は、その日の内に、以前からお世話になっていた外食チェーン企業の役員の元に走った。
「実はクビになりました」
「それなら、ウチでやれ」と、その人は、すぐ声をかけてくれた。
その後、外食店のフランチャイズの営業を担当。1年間営業技術を徹底的に学んだ。そこで自ら温めていたキャリアサポート事業の提案をし、採用された。"行動の人"だ。担当者は自分一人だった。
試行錯誤
1からサポートシステムを作り上げなければならなかった。
「選手を引退したばかりの彼らは、何も知らないので、企業の情報を積極的に提供したり、社会人としてのイロハを学ぶ研修を開いたりしています。企業にはアスリートを、採用するメリットを説明して、前向きに採用していただいています」と、川口は話す。
今まで、元選手たちも川口の元、保険会社、不動産会社、スポーツ販売企業、スポーツジム運営企業などに内定を貰うなど、実績を上げて来た。
が、課題もある。せっかくマッチングして、内定を取って働き出しても、早く辞めてしまう、という問題にも直面した。少しでも防ぐために、通信大学と提携して、社会人マナーやPCスキルなどを身に付ける講座で、一社会人としての人間育成にも力を入れ始めた。
試行錯誤は、まだまだ続く。
主な事業内容は以下の通り。
1、元プロ選手を採用したい企業へのアプローチ、開拓
2、セミナー開催・運営
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