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増える乳がん・子宮頸がんを防げ 超党派議連1周年

Japan In-depth / 2016年3月8日 7時0分

増える乳がん・子宮頸がんを防げ 超党派議連1周年

安倍宏行(Japan In-depth 編集長・ジャーナリスト)

「編集長の眼」

日本の婦人科がん検診の受診率は、乳がん、子宮頸がん、共に40%程度と非常に低く、他の先進国に比べ半分のレベルにとどまっている。また、子宮頸がんの発症率は20代~30代に増えており、特に30代前半がピークとなっていることはあまり知られていない。

こうした中、2015年3月4日に将来の乳がん・子宮頸がん検診のあり方を考えるべく、超党派の国会議員連盟「乳がん・子宮頸がん検診促進議員連盟」が発足した。それから1年、3月2日に議連設立1周年記念講演会が東京千代田区の参議院議員会館にて開催された。

婦人科系疾患の予防啓発活動を行っている一般社団法人シンクパール代表理事の難波美智代氏は、がん検診の受診は市区町村により差がみられることを指摘。個別受診勧奨を行っている市区町村は全体の49%しかないこと、また、未受診者への再勧奨を行っているところは全体の6%しかないことを明らかにした。

又、シンクパールと女性の健康情報サイト「ルナルナ」が12歳から52歳の女性を対象に2月に行った共同意識調査(有効回答数8132件)によると、子宮頸がんを「名前だけ知っている」人が全体の61.3%に上り、病気についての理解が不十分であることが分かった。又、子宮頸がんの原因を「まったく知らない」人は19.2%で、「あまり知らない」人47.9%を加えると、67.1%にも上ることも明らかになった。

子宮頸がんの予防方法について聞いてみても、「知っている」との回答は31%に止まり、具体的な予防法については、「ワクチン」と答えた人が80.6%、「子宮頸がん検診」が15.8%いたものの、「避妊」と答えた人が20.6%いた。子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因だが、その理解が進んでいないことが浮き彫りになった。こうした現状を踏まえ、難波氏は、職場での検診受診を促進させる環境整備と、女性のライフスタイルに寄り添った検診が必要との考えを強調し、これらが2年目の課題であるとした。

 

一方、認定NPO法人乳房健康研究会が、2015年6月に全国20歳から69歳の女性を対象にネットで行った乳がん検診に関する調査(サンプル数1455票)によると、乳がん検診(マンモグラフィまたは超音波検査)を受けている人の割合は40歳以上で42%に止まり、受診しない理由の1位は「費用が高いから」、2位が「痛いから(痛いらしい)」、3位が「機会がない」となっている。受診の重要性を啓発し、環境を整えていく必要があることがわかる。その為に同研究会は「ピンクリボンアドバイザー制度」を2013年に立ち上げた。

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