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オスプレイを政治利用する新聞の不見識 その1

Japan In-depth / 2016年4月29日 14時14分

オスプレイを政治利用する新聞の不見識 その1

清谷信一(軍事ジャーナリスト)


先に発生した熊本の震災において、米政府が海兵隊の輸送機、オスプレイを派遣したことについて多くの新聞が賛否両論を展開した。


朝日新聞、東京新聞、毎日新聞などといった批判派は、ヘリの派遣は自衛隊のもので十分である。「危険な」オスプレイをあえて投入するのは、在日米軍や自衛隊のオスプレイ使用を国民にアピールするための政治利用であるというものだ。対して産経新聞に代表される擁護派は、オスプレイがいかに優れた機体であるかを訴えている。


結論から申せば、両者ともオスプレイという機体とその運用について基礎的な知識もないまま自社の政府批判、政府支持ありきの持論を展開している。


いわば四則計算もできない子供が微分積分を論じているようなところがある。また災害派遣という大きなフレームで論じるべき事案をオスプレイという木を見て森を見ない、偏狭な議論に陥っている。


まず批判派の記事を紹介しよう。



自衛隊にも約60人乗りの大型輸送ヘリCH47が約70機ある。約30人乗りの米軍オスプレイがさらに必要なのか。疑問の声が上がる。


防衛省関係者は「米軍オスプレイの支援は必ずしも必要ではないが、政治的な効果が期待できるからだ」と説明する。


米軍普天間飛行場のオスプレイには、騒音被害や事故への懸念が絶えない。自衛隊が陸自オスプレイ17機を佐賀空港(佐賀市)に配備する計画も、地元の反対で進んでいない。



米軍オスプレイ、初の災害対応 実績づくりに疑問の声も 朝日新聞 2016年4月18日


http://www.asahi.com/articles/ASJ4L5Q4YJ4LUTFK00G.html


 



米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の新型輸送機MV22オスプレイが18日、熊本県南阿蘇村に救援物資を搬送したことに、熊本県内の被災者からは支援を喜ぶ一方、安全性を危ぶむ声も上がった。


被災者には日米同盟のパフォーマンスと見る向きもある。この日、夫婦で同村の避難所を訪れた同村の男性(81)は「いちいちオスプレイで運んだと明らかにすることに政治的な意図を感じる。今まで通り自衛隊のヘリで良いのではないか」といぶかしがった。



オスプレイ物資輸送に賛否、熊本 県内被災者の声 東京新聞2016年4月18日


http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016041801001890.html?ref=rank


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