オスプレイを政治利用する新聞の不見識 その1
Japan In-depth / 2016年4月29日 14時14分
またオスプレイは欠陥機という主張があるがこれには根拠が薄弱だ。墜落事故が多発したのは開発時と導入初期であり、その後は特に運用を停止するほどに事故発生率が高いということもない。
オスプレイは垂直離着陸を行う際に発生するダウンウォッシュ(吹き降ろしの風)が強く、2015年4月のネパール地震に派遣された機体は小屋を吹き飛ばしたことは事実だ。だがそれはオスプレイ特有の問題ではなく、自衛隊も保有するCH-47チヌークなど大型のヘリコプターでも同じことだ。
オスプレイの問題点としてはヘリほど垂直離着陸時の機動性がない。このため強い横風などで事故が起こる可能性はヘリよりも高い。また下向けにした時のエンジン排気口からの排気熱が極めて高く、アスファルト舗装した場所での離着陸には問題があるかも知れないが、これらは運用でカバーできる。それができていないのであれば調査報道を行ってあきらかにすべきだ。思い込みや情念だけで批判するのはジャーナリズムではない。
そしてこれらの新聞も米軍の派遣までを否定していない。だがオスプレイが問題だというのであれば、米軍に災害派遣に際してオスプレイを除けと要求しなければならない。それは軍事的にも政治的にも外交的にも全く意味がないことになる。軍事的な整合性を排してまでも、オスプレイを排除せよというのであれば、それがリーズナブルであるという、読者が納得できる説明をすべきだが、それができている媒体はない。
ただ日本政府にこれを奇貨として在日米軍のオスプレイ配備の有用性をアピールし、また佐賀への陸自のオスプレイの配備への地ならし、と陸自のオスプレイが高額であるとの批判をかわそうという意図はあっただろう。だがそれを批判するためにオスプレイの投入を批判することは、先述のように米軍の災害派遣自体を拒絶しろという主張になりかねない。
また後述するが中谷防衛大臣の記者会見の発言をみても、オスプレイではなくヘリで可能な任務を、オスプレイが必要不可欠かのように主張している。防衛省側の説明も納税者を納得させるものではなかったし、はじめにオスプレイの派遣ありではないかと疑われることも当然だ。
(オスプレイを政治利用する新聞の不見識 その2、オスプレイを政治利用する新聞の不見識 その3に続く。全3回)
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