「クリントン当確」屈しないサンダース「共和党のバック」危ういトランプ 米国のリーダーどう決まる?その16
Japan In-depth / 2016年6月8日 18時0分
大原ケイ(米国在住リテラリー・エージェント)
「アメリカ本音通信」
6月7日、最大数の選挙人数(475)を抱えるカリフォルニア州を含む6州で大統領予備選が行われ、その結果を受けてヒラリー・クリントンが、共和・民主の二大政党から立候補した初の女性大統領候補となった。11月の本選に向けて、どのようなバトルが繰り広げられるのか、そして初の女性大統領は誕生するのか、全世界の注目を集めていくだろう。
実はクリントン候補の当確は、1日前のAPの発表によって決定していた。予備選挙のない日になぜ確定したのかといえば、予備選挙の結果と関係なく、選挙人として指定されているスーパーデレゲーツ(特別選挙人で、民主党は700人を超える)にAPが各々取材したり、公の場で宣言しているか逐一チェックして数字を積み上げ、当選に必要な人数に達したと判断したからである。
もちろん、夏の党大会まで戦い続け、ドナルド・トランプに勝つには自分の方が適していると判断してもらえればスーパーデレゲーツの自分の側に寝返るはずと目論んでいたバーニー・サンダース陣営は、民主党の勝手なルールとAPの先走りによる発表は不公平だと訴えたし、クリントン側にしてもカリフォルニア州を勝ち取り、誰もが納得する形で勝利宣言して本選に臨みたかったわけで、このAPの発表には不満だったろう。何より、これまでの予備選でも既に決着した頃に投票してきたカリフォルニア州の有権者も出鼻をくじかれたような思いだったろう。
何はともあれ、サンダースが“必勝”と若者を焚きつけてきたカリフォルニア州でも、クリントンは大差をつけて勝利した。日本でも一部放映された彼女の勝利宣言スピーチは、カリフォルニアの最終結果を待つことなく、選挙事務所のあるニューヨークのブルックリンで行われた。移民も多く、人種もバックグランドも雑多で今や若者が好んで移り住むこのエリアで、クリントンは I have your back.(私は皆さんの味方です)と、高らかに「和」を尊重するスタイルを見せつけた。
一方の共和党は、既にトランプの指名が決まっているものの、相変わらず暴言を発し続けるトランプをサポートして一枚岩になれずにいる。この一週間で第三党であるリバタリアン党が共和党のベテランを副大統領候補にリクルートし、共和党の票がそちらに流れる可能性も伝えられたが、大統領候補が無名のデイビッド・フレンチという人物で、その彼もトランプ支持を表明し、あっという間に話が消えてしまった。
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