心を蝕む“難民・移民”に対する不寛容さ
Japan In-depth / 2016年7月26日 23時0分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
ドイツ南部ミュンヘンで22日に銃乱射事件が起きた。容疑者はドイツとイランの二重国籍を持ち、ミュンヘンで生まれ育った18歳の青年だ。両親はイスラム教シーア派の信者で、1990年代に難民としてイランからドイツへ渡った。容疑者は学校になじめず、精神的に問題を抱えていたという。一年前から実行を計画しており、Facebookで集合をかけて次々と殺害した後、自殺した。死亡した9人は大半が10代であり、ほとんどが移民系。3名がトルコ系、3名がアルバニア系、1名がギリシャ系。犠牲者のうち西欧系のドイツ人は1名のみである。犯行に使われた銃は、インターネットで1年前に購入されたもので、犯行の計画を事前に知りながら通報しなかった疑いで16歳のアフガニスタン人が逮捕された。
ニースのテロからまだ傷もいえていないフランスでは、またしても移民が起こした事件を聞いて、もう安全な生活は送れないのかと誰もが不安を感じた週末となった。
いつものウォーキングに行った時にもちょっとした違いを感じた。長年続けているため会話はしないまでも、あいさつ程度の顔見知りも多く、こちらが「こんにちは」と言えば笑顔で返してくれる老年のフランス人女性が向こうからやってきたので、いつものように挨拶をした。だが今日もあいさつを返してはくれたのだが、なぜかプンと怒った顔で違う方向を見ていていつもとは違うのだ。理由は分からない。でももしかしたら連日あちこちで移民による犯罪が続いているので、アジア系の私にも警戒したのかもしれないとも思った。実際のところは本人に聞いてみなければ分からない話だが、それでも残念ながら、周りにはそのぐらいの雰囲気が流れていたのも事実なのだ。
そんな中、知り合いのイラン人の家族から日曜日にピクニックに行かないかと誘われた。
招待してくれたイラン人の家族は、ご主人がフランスの大学に進学してそのままフランスで就職したご家庭だ。お子さんは三人いるが、全員が上位の成績を維持する優秀さでとても礼儀正しい。子供同士が友達なのだが、今までもこのように時々家族ぐるみでお付き合いしてきた。しかしこのピクニックはいつもの単独のお招きとは違い、イラン人の友達家族も招待されていた。なんと聞けばその家族はそれこそ「難民」としてフランスに来たと言う。
ピクニックはとても和やで楽しい時間となった。イラン人の男性陣は子供達と積極的に遊び、女性陣がしたいと言うことを聞いてその希望をかなえて一緒に川に足まで入って遊んだりもする。すると女性達が「向こう岸まで石を並べてぬれないでも渡れるようにして」と言うもんだから、無茶なこと言うなと男性陣が嘆いてた。また、水着姿で川に入ってくるフランス人を見て「そこまでこの川がきれいだと思えないから、あそこまではできないな」と言いながらイランに川はほとんど無いと言う話をしていたりもした。
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